殺陣師の佐藤雅樹が殺陣と武道修行から得た "気付き" を易しく解説します


by Masaki Sato

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ドングリの背比べ

動物の世界・・
特に雄の世界においては

体がデカイ方が優位だと云う

なので

イザコザが起こると真っ先に
大きさ比べが始まるらしい

それは

単純に背(体高)の高さだったり
あるいは角の立派さだったり

口の大きさ
なんてのもあるのだろう・・

家で飼ってるセキセイインコ達でさえ

場所の取り合いなんかが始まると

すかさず

毛を逆立ててみたり
つま先立ちになったりしては

自分が大きい事を主張する

全く原始的だ・・・

などと笑っている場合ではない

人間の、特に男どもの世界は
未だにこの法則に支配されていて

どっちが物を知ってるか

どっちが立場が上か

なんて事に血道を上げている

他人が小さな失敗をしようものなら
この時とばかりに相手をなじり倒し

少しでも優位なポジションを
確保しようと必死の形相だし

自分が知らない事を
他人に尋ねるのなんか以ての外!

位を下げてしまうんだから

デタラメでも何でも
自分の考えを押し通して

事が破綻したって知らんぷり・・・

そんな事を繰り返しているから

見ろよ

良識ある人達には
俺達が ただのバカの集まりだって

すっかりバレて
しまってるじゃないか


所詮は烏合の集の俺達が

それでも何とかやっていく為には

無い知恵
出し合うしかないでしょう?

力を合わせるしかないでしょう?

ドングリの背比べ
やってる場合じゃないぜ!

まったく・・・

今やるべき事は

飲みニュケーションとか

もはや死語になりつつある
形式だけのそれじゃなくって

お互いが

"本気で心を開く事" だけだろうに


さもないと

近いうちに
お前達要らない!って事になっちゃうよ

ホントに雄ってのはめんどくせえなあ(笑)


by genshu-juku | 2018-07-19 21:48 | その他 | Comments(1)

垂直に伸びる背骨_19 呼吸法・前編 _①

呼吸のメカニズム

さてさて、ストレッチ編の途中ではあるけれど、必要性を感じたので『呼吸法の基礎』だけは先にご紹介しておきたいと思う。呼吸のなんたるかを漠然とでも良いので知っておく事ができれば、今後の展開への理解もスムーズに進むと考えたので。

というわけで、今回は『呼吸のメカニズム』について。

頑張って CG 作ったので(笑)
少しは分かりやすい内容になってるのでは?と自負しています。

但し、今回はメカニズムのみのご紹介とし、実践法はあえて載せていないので悪しからず。先ずは全体的なイメージと理屈を大体で良いので頭に入れておいていただきたいと思う。

もちろん、これからご紹介する三つの呼吸を動画を参考に試していただくのは大歓迎だ。

その場合は以下の要点

・吸う時は鼻から

・吐く時は 鼻か 口から
(勢いよく吐けば自ずと口から出て行きます)

・姿勢は真っ直ぐに

・特に上半身はリラックスさせて


を守って行っていただければと思う。

また、各呼吸に関してはいずれも "楽に" 行っていただきたいと思う。身体が出来ていないのに(各部分が柔軟でないうちに)いきなり力んでしまっては、呼吸が生み出す圧力の "逃げ道" が無くなり、脳をはじめとする内蔵諸機関にダメージを与えかねないので。


それでは、張り切って行ってみよ〜〜!!



『腹腔(呼吸筋群)』



『腹腔』とは腹部の内臓が収まっている空間を指す。その空間を構成する四種の筋肉(群)をここでは呼吸に関わる筋肉として "呼吸筋群" と呼ばせていただきたい。

内訳は次の通り

横隔膜(図では赤色)
腹横筋( 〃 黄色)
多裂筋( 〃 緑色)
骨盤底筋群( 〃 青色)


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中でも重要な役割を果たしているのが、胸部と腹部を仕切っている膜状の筋肉 "横隔膜" だ。この横隔膜が(膨脹と収縮を伴い)上下に動くことによって、肺が、ある時は横に広がり、ある時は縦に引き伸ばされて深い換気(呼吸)が行われるという仕組みになっている。

また、横隔膜が上下する際には他の呼吸筋も連動して動くという構図になっており、その関連性は下の図の通り

横隔膜が下がれば 腹(腹横筋)が膨らみ 骨盤底筋群も下がる
横隔膜が上がれば 腹(腹横筋)が凹んで 骨盤底筋群も上がる

となっている。


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なぜこのような連関が生まれるのかというと、そこに "内臓" が関与しているからで、簡単な話、横隔膜が下がれば、それに押される形で内臓が下降し、内臓に押し出される形で腹(腹横筋)が膨らみ、それに伴って骨盤底筋群も下に向かって膨らむ(下る)という構図だからだ(上がる時はこの逆のメカニズム)

なので、十全な呼吸を行えるようになるための条件とは、もちろん呼吸筋群そのものの柔らかさが重要なのは言うまでもないが、先ずは『内臓が柔らかである』ということが言えると思う。

「筋肉が、硬い、柔らかい」というのは聞いたことがあるが、「内臓の硬さや柔らかさ」なんて初耳だという方もおられるかと思うが、生まれたての赤ん坊や子犬や子猫のお腹を想像していただければ了解していただけると思うけれど、若い内臓はプニョプニョのポニョポニョなのですよ(笑)それが歳を取ってくるとだんだんと硬くなってくる・・その硬さが限界点を超えると病気になる。肝硬変とか言うじゃないですか!

要するに、硬い内臓では血液の循環が滞りがちになる・・・血液の流れが滞れば不純物の排泄がうまく行かず、また栄養や酸素も供給不足になってしまうというわけなんだけれど、特に小腸や大腸に鬱積している血液は、中医学では万病の元と言われていて、慢性の倦怠感やお肌のトラブルもこの鬱血によって引き起こされていると考えられている。

ということで、"内臓の柔らかさ"とは、健康に直結するとても重要な要素であり、呼吸法によって内臓を上下に無理やり引っ張り上げたり、押し潰したりする、半ば強引とも取れる血液循環(笑)は、実に若さを保つ秘訣であろうと考えるわけだ。

また、物理的にも内臓が柔らかであればあるほど、より上下に移動してくれるので、その分 肺の "伸縮" と "膨脹" の度合いも大きくなり、空気の入れ替え、つまり呼吸がより深くなるというわけで、"健康" と "呼吸のパフォーマンスの向上" という二重の意味において内臓の柔らかさは重要でもあるのだ。

ここで、「私はちょっとしかお腹が出たり引っ込んだりしないので、きっと内臓が硬いのだ」と心配されるなかれ。手足の筋肉と同様、内臓もトレーニングを重ねることによって少しずつ柔らかさを取り戻すものなので、気楽に、気長に取り組んでいっていただきたいと思う。


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赤ちゃんのポニョポニョお腹は健康の象徴 ♡


内臓の柔らかさに触れたついでに "腹筋の柔らかさ" についても言及しておきたいと思う。

世の中の美意識は、今のところ "バキバキに割れた腹筋が美しい" とされているみたいだけれど、こと呼吸法の観点からすれば、硬く締まり過ぎた腹筋は、いくら内臓が柔らかくとも、「腹を膨らませたり凹ませたりするのが難しい」という点において呼吸法には向かないと言わざるを得ない。呼吸法に関していえば、腹筋はあまり硬すぎず、よく伸び縮みするものが望ましいと言えよう。

こう言うと「締まりの無い腹筋では十分なパフォーマンスが発揮できない」と仰る方が必ずおられるけれど、それは大きな勘違いをなさっていて、要するに「柔らかくよく伸び縮みする」と言う事を「単に たるんでいる」と誤解されているだけで、決して "たるんだ腹筋" を推奨している訳ではないという事をご承知おきいただきたい。

また、パフォーマンスの向上という観点から見てみても、今は盛んにインナーマッスルという事が言われ、様々なトレーニング方法が紹介されているけれど、腹筋を初めとする外側の筋肉をガチガチに固めてしまっていては、折角のインナーマッスルも力を発揮する場を失ってしまうことになりかねないのだ。

何故なら、今回ご紹介している呼吸筋群こそがインナーマッスル中のインナーマッスルであって(もちろん他にも色々あるけれど)、動画をご覧になっておわかりのように、腹の内側でこれほどの運動が行われているという事実があるわけで、それがたとえ呼吸に関わる運動であったとしても、その運動が外側のパフォーマンスに影響しないなどということはあり得ないわけで(現に武術界では『呼吸筋群から生まれる運動を手足に伝える』という方法論を採る)、繰り返しになるが、腹筋を硬く締めてしまっては腹が十分に出たり入ったり出来なくなり、引いては呼吸筋群の動きを制限してしまうことに繋がるからだ。

まあ、美的センスからいえば、若い人達に「腹筋とか そんなに割れてなくていいから」とは なかなか言えないけどね(笑)

なので、若いうちは腹筋バキバキで運動してもらっても全然構わないと思うし、それでも呼吸法に興味があると仰るなら、ストレッチの一環として「健康のために腹の中も伸ばしといてやるか」くらいの軽いノリで取り組んでいただければと思う。その習慣は年齢を重ねるごとに徐々に(もちろん良い意味で)効いてくるはずなので。



『胸式呼吸』




胸式呼吸のメカニズムは読んで字の如く『胸で吸って胸で吐く』ということ。吸う時に肋骨(胸郭)を、前後左右に、立体的に開くことによって肺を拡張させるわけで、その際に横隔膜も上に引き伸ばされるので腹も自然と(少しだけ)凹む(横隔膜を意識的に引き上げているわけではない)

「肋骨が開いたり閉じたりするの!?」とビックリされるかもしれないが、肋骨と肋骨の間にあるのも "肋間筋" という筋肉なので全然不思議ではないのですよ(皆んな大好きなスペアリブね ♡)『よく伸び縮みする筋肉が良い』とされるのはここでも同じと言うことですな。


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胸式呼吸で気を付けていただきたいのは、次に挙げる『腹式呼吸』に比べ、発声やヨガ、ピラティス等の身体文化によってその解釈が微妙に異なると言うことだ。

思い付くままに挙げれば

<一般的にいわれている事>

・肋骨は横方向だけに開き、腹は動かさない

・その際に肩を上げてはいけない

(上とは逆に)

・肩を上げることによって息を(肺に)吸い込む

・肩が上がり緊張してしまうので肩こりの原因となる


ということになるのだが、これらを全て網羅することは到底不可能な事なので(全く逆の事を言ってたりするので)ここでは『俺は30年間こうやって鍛錬してきました』という "俺なりの方法論" をご紹介するつもりだ。読んでいる方々にはそれでは不安に思われる方も多くおられると思うので、ご自分で色々調べてみて、最終的にご自分に合った胸式呼吸を選んでいただければと思う。

なので、改めて俺流の胸式呼吸の要点を述べさせてもらうなら

<俺流>

・肩は上げない

・肋骨(胸郭)を前後左右に広げる

・その際 横隔膜も上に引っ張られるで 腹も自然に(少しだけ)凹む

・横隔膜に下から押されるので、肺は、鎖骨あたりまで、上にも膨らむ


ここで最も大切な事は "肩を上げない" という事。肩が上がってしまっては、一部の方達が主張しているように、肩周り、引いては首の周辺が緊張してしまうので、腕を使うパフォーマンスや発声に悪影響が出てしまう

それでは、何故肩が上がってしまうかといえば、肋骨の上部を開こうとするする際に、その周辺の鎖骨や首、肩周りの筋肉が硬いために "拡張しようとする力" の行き場がなくなって肩を上げてしまうというわけだ。まあ、そもそも、肩周り、首周りの筋肉の硬い人達は肋骨の上部も開かないものなのだけれど。

なので、俺の言う胸式呼吸を実践していただくためには、先ず第一条件として『肩周り・首周りの筋肉を十分に柔らかくしていただく』という事が言えると思う。肋間筋(スペアリブ)の柔軟性はそれにつられて自ずと着いてくるものなので。

肩周り・首周りの筋肉を柔らかくするためにどうすれば良いのかというと、先ずは前回ご紹介した "猫のポーズ" を根気よく続けておいていただきたいと思う。かのストレッチは、肋間筋の柔軟性も含めて、非常に効果の高いものだから。



『腹式呼吸』




腹式呼吸とは『吸う時に腹が膨らみ、吐くときに腹が凹む』、要するに『腹で 吸って腹で吐く』呼吸を指す。

そのメカニズムの中心は "横隔膜の上下運動" であり、横隔膜が下降することによって肺が縦に引き伸ばされてその容量を増し、横隔膜の上昇によって肺が上に押し潰され、内包する息を外に吐き出すということになる。だから、結局、空気を出し入れしてるのは肺に他ならないわけで、その肺を変形させている元(原動力となる筋肉)はどこか?という話なんだよね、◯◯呼吸と呼ばれる要因は。


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この腹式呼吸こそは、発声法やその他リラクゼーション法(引いては普段の健康維持)に於いても極々一般的なものであり、基本中の基本ではあるので、しっかりと練りこんで(鍛錬を積んで)、出来れば日常生活の中で意識しなくても腹式呼吸で居られるようにしておいていただきたい

個人的には呼吸の練磨には終わりが無いと思っていて、単純に肉体的な面だけに言及してもその深さは果てしがなく、例えば、十年も賭けて呼吸筋群や内臓を柔らかくし、横隔膜も十分下降するようになって、もうこれで完成だろうなどと高をくくっていると、ある日突然、丁度足元の地面がズブズブと沈んで行くかのように、骨盤の底の底、"骨盤底筋群" が呼吸に参加し出して(それまでは使えずに眠っていた)、呼吸の質が一変するなどという事は日常茶飯事な事なので、皆さんにも、是非、この深淵な世界を楽しみながら歩まれて欲しいと願う。


ここで骨盤底筋(群)に関する注意を一つ

昨今、テレビの健康番組等に於いて普通に "骨盤底筋" という言葉が聞かれるようになり、ましてや "女性の尿もれ対策としての筋トレ" なども紹介されるに至っては、時代も変わったなあと隔世の感を禁じ得ない。10〜20年前、若い女性達にこの辺りの説明をする時の苦労ったらなかったんだもの(笑)それはさて置き、筆者が身を置く中国武術や気功の世界に於いては、この骨盤底周辺の開発(トレーニング)は『"修行の最終段階" に "自然と開かれる" のが良い』とされていて、どういうことかと言うと、この辺りは非常にデリケートな臓器が密集しており、尚且つ、骨盤底筋群そのものもとても繊細な作りをしているので、まだ身体が出来ていない状態で(硬くて融通の効かない段階で)無理にこの周辺を酷使すると致命的な故障を引き起こしかねないと考えられているからだ。事実、この俺も、若い頃はもちろん、30年間呼吸を練ってきた今でさえも、オーバーワークでこの辺りを傷めてしまい、股間、特に肛門の痛み(←痔ではないよ)で夜も眠られないのなんかザラなのだ。

もちろん、やり過ぎなければ、尿もれ対策としてその周辺の筋トレを行うのは間違ってはいないと思うのだが、一つ大切な事として、前述したように腹腔の呼吸筋群が、満遍なく、 "連動して動く" ようになりさえすれば、特に骨盤底を意識しなくとも、呼吸をする度に、自然と肛門や尿道が締まってくれるようになるわけで、そこをしっかりと頭に入れて、遠回りには感じるだろうけれど、あまり偏る事なく、全体的なバランスを考えながら、気長に呼吸法に取り組んでいただきたいと思う。

ちなみに、『呼吸筋群が連動して動く』という状態は、何か特別な事ではなく、我々が生まれながらに持っていたにも関わらず、多くの人達が成長するにつれて忘れてしまった事に他ならないのだ。生まれたての赤ん坊を思い出してもらえばお判りのように、彼らは息をする度に、それと連動させるように手足をバタつかせているではないか!それを現代の大人達は「身体が未分化なのだ」と捉えているようだけれど、武道その他の修行者達にとっては、呼吸と手足、引いては全身が連動しているその状態こそが "目指すべき目標" であって、言葉を替えれば『大人になって忘れてしまった "生まれたてのあの状態" に戻る事こそが修行』なのだということだ。



『逆腹式呼吸』




逆腹式呼吸は上述した二つの呼吸、胸式と腹式の複合型とも言え、少々難しくなるのだけれど、『吸う時に胸が膨らみ、吐く時に腹が膨らむ』というもの。言い方を変えれば『胸で吸って腹で吐く』という事になるのだけれど、胸式の要領で肺を目一杯に広げて息を吸い込み、横隔膜を限界まで下降させ(腹を膨らませながら)"肺を細長くして息を吐く" という仕組みなのだ。

で、この『腹を膨らませながら息を吐く』という状態が非常に不自然でキツいわけなのよ(笑)だって通常の腹式呼吸では(腹を膨らます)その状態で息を吸うわけだし、その方が自然なわけじゃない?だって、肺が細長くなればそれだけ容量が増えているってことだからね。

ま、理屈で考えれば、胸郭を広げて空気を取り込み、その次に横隔膜を下げていけば・・という事は肺の形を元に戻していけば、ある段階まで空気が抜けて行く事は容易に理解できる。でも、その境界を超えて横隔膜を下げていけば、肺の容量だけを見れば再び増えていくわけで、それでも息を吸わずに吐き続けるという事は、こここらはあくまで自分の体感の世界に過ぎないのだけれど、肺が細長い状態から、さらに、僅かではあるけれど縮小するという事で(← 丁度 風船が萎むように)、この状態は身体的にとても負荷の掛かる状態ではあるけれど、こと "鍛錬" という観点から見れば、呼吸に関わる深層筋群も、ましてや肺という臓器そのものも鍛えられるという、正に "呼吸鍛錬の王道" とも言える方法なわけだ(笑)

ちなみに、腹を膨らませて息を吐き続けた後、ふっとそのホールドする力を緩めた途端、自ずと、雪崩れ込むように空気が肺に入ってくる爽快感は何物にも代え難いものだ(キツいだけにね ♡)


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なので、この逆腹式呼吸はもっぱら武道・武術家(その他 "修行" を人生の目標とする人達)によって鍛錬されてきたという歴史があるわけで、それだけハードなものではあるけれど、それは、イコール、鍛錬の効果が非常に高いという事になるわけで、胸式と腹式をしっかり鍛錬してきた人達が更に上を目指す為には打って付けの鍛錬法だと信じている。

なので、この連載に於いても、先ずは腹式呼吸からゆっくりとその実践法を紹介して行って、しばらく間を開けてから、仕上げの段階として逆腹式呼吸の実践法をご紹介できればと思っている。


ちなみに、これをお読みの方達の中で、発声法などで既に呼吸の鍛錬は十分こなされて来たという方々には、是非、動画を参考に逆腹式呼吸を体験していただきたいのだけれど、一次的に、声質が変わってしまったり、喉を締める癖がついてしまったりと、やはり、完全にモノにするまでは副作用的な状態も経験される事になるとは思うので、その点は十分認識された上でお試しいただきたいと思う(ちょっと体験される分には全く問題ありませんので)

また、その際の注意点としては『胸式や腹式呼吸に比べて より一層 上半身をリラックスさせる』という事が挙げられる。

逆に言うと、上半身が完全にリラックスしていないと逆腹式呼吸を行うのが難しいという事になるのだけれど、それが体現出来てしまえば『腹にはしっかりと力が入っていて(腹圧が掛かっていて)尚且つ上半身が柔らかく使える』という身体運動においては理想的な状態を手に入れる事が出来るのだ!



『呼吸の精神への影響』

呼吸法を語る際にセットにして語られる事がある。そう、"精神への影響" だ。

よく言われるのは

・胸式呼吸は交感神経を刺激してヤル気を出させてくれる

・腹式呼吸は副交感神経が優位になってリラックスさせてくれる


ちなみに逆腹式呼吸の精神的効用はというと

・逆腹式呼吸は強烈な精神の安定をもたらす


と言われていて

どういう事かというと、面接とか何かもの凄く緊張する場面に於いて、胸式呼吸でテンションを上げるのも、腹式呼吸でリラックスを誘うのも正解ではあるのだろうけれど、「テンション上がり過ぎて注意力が散漫になって要らない事を口走ったりしないか?」とか、「リラックスし過ぎて逆にヤル気の無い様に映りはしないだろうか?」とかいう問題があるわけで、そういう時にこそ、面接の直前まで逆腹式呼吸を続けて本番に望めば、『心は深く落ち着いているのに、頭や身体は澄み渡り、キレキレのパフォーマンスを演じる事が出来る』という理想の状態に持って行く事が可能なのだ。

そう、逆腹式呼吸のもたらす『強烈な精神の安定』とは、決して "眠ったようなボンヤリとした状態" ではなく、『泰然と物事を俯瞰し、いざという時には疾風怒濤の如くに動ける』という、正に、表現者・アスリートとしては理想の状態を指すものなのだ。

また、このような状態を昔の人達はなんと言ったかというと

・肚(はら)が出来ている

・肚(はら)が座っている


と言ったわけで

昔の言葉で『肚を練る』といえば、「あえて精神的に辛い状況を体験すると」いう場合を除けば、逆腹式呼吸 様 の鍛錬を指したものなのだ。


ちなみに、なぜ呼吸法が精神に影響を与えるのかといえば、『神経叢(しんけいそう)』という神経が網目状に集まった、まあ "神経の集積所" みたいなものへの理解が必要で、神経が寄り集まっているなら、それらを上手く刺激できれば、当然、脳にも良い影響を与えるわけで(もちろん逆の場合も起こりうる)、なんと、呼吸の要である横隔膜には人体で最も大きな神経叢と言われる『太陽神経叢』が存在し、また、呼吸法が関わる最下端の骨=仙骨には『仙骨神経叢』があって、呼吸法を深く、骨盤の奥底まで行うという事は、この(主に)二つの神経叢に刺激を送り続けるという事に他ならないというわけなのだ。


(神経叢の CG、めんどくさくってスルーしました。各自でググってください / 笑)


さてさて、何となく呼吸のメカニズムを頭に入れていただけたとは思うので、次回からはいよいよ呼吸法の実践に移るとしよう。

途中でも書いたけれど、先ずは腹式呼吸の実践法を・・その後はストレッチ編に戻ってもう少し身体を柔らかくしてもらってから 胸式→逆腹式 へと進む予定だ。

先が長くてウンザリするかもしれないけれど
気長に、気楽にお付き合いいただければと思う (*´∇`*)


・・・続く


追伸
ここに掲載した内容(動画、画像も含む)は、筆者に許可を取る必要はございませんので、自由に、シェア、ご活用くださいますように。それによって、身体文化、引いては皆様のご健康に寄与できるのであれば望外の喜びであります。

by genshu-juku | 2018-07-19 17:11 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(5)