殺陣と武道修行から得た "気付き" を易しく解説します


by Masaki Sato

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垂直に伸びる背骨_18

骨盤と背骨のストレッチ_⑤
ヨガ・猫のポーズ 〜 呼吸トレーニングへの導入

前回のダンス・ストレッチでは、この連載が始まって以来 初めて『丸まる腰から姿勢を真っ直ぐに伸ばす』ということに言及したため、多少混乱された方もいらしゃった事と思う。なんせこれまでは『反る腰から真っ直ぐに伸ばす』ことだけを説明して来たからねえ。

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『反る腰』から真っ直ぐに伸ばす

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『丸まる腰』から真っ直ぐに伸ばす


と言うわけで改めて説明させていただくと、もうお判りの通り、姿勢を真っ直ぐに立てる過程は『反る』から『丸まる』からの大きく分けて二つあるという事になるわけで(左右は除く)、後は、そもそも姿勢が良くって(← 生活様式等のお陰で)最初から腰が立っている(真っ直ぐな)人もいるけれど、今は『反る』からと『丸まる』からの二つの腰に話を集中させていただきたい。

で、俺の体験から持論を申し上げると、『両方を満遍なくトレーニングした方が上達は早い』という事に落ち着くのだ。

西洋式のダンスに慣れた人達にとっては奇異に映るかもしれないけど、東洋の武芸には "反るなら反る" 、"丸めるなら丸める" という『一つの腰』しか使わないものが多いんだよね(もしかしたらスポーツにも同じ事が言えるかもしれないけど)もちろん、それぞれの武芸にはそれらの腰を採用する理由というものがあって、当然それは術理に関係する事でもあるのだけれど(実は開祖がそういう腰だったというオチにも繋がるのだけれど)、で、その事は全く否定される事ではなく、流派を挙げてその腰の鍛錬に励むべき事ではあるのだけれど、こと健康という観点からみると、ある意味偏ったあり方ではあるわけで、稽古が終わった後にはストレッチ等で満遍なく身体をほぐしてあげるのが現在の常識なわけで、これはこの連載のテーマでもある『背骨の伸長』にも同じ事が言えるはずで、やはり、二つの腰の両方から攻めて行った方が理解や上達も早いだろうし、腰を故障するリスクも減ると考えるのだ。

ここからは完全に余談だけれど、『自分自身の持つ腰』と『自分が学ぶ流派の腰』とのミスマッチというものがあるわけで、例えば『反る腰』の人が『丸まる腰』を基本とする流派に入門するなんて話はよくあるわけで、で、そういう人達は周りと比べて自分の上達が遅い事に苦しんでたりするわけだけれど、普通の指導者なら「あ、君は腰が逆だから自宅で十分ストレッチをしなさい」とか簡単にアドバイス出来るんだろうけれど、頭が固くて尚且つ勉強不足の指導者なんかに当たった日には自流の崇高な技術理念なんかを滔々と語られて、なんか分かったような分かんないような気分にさせられて、結局何も解決していないという不毛な努力を強いられてしまうわけで、なので、ここで俺が代わってアドバイスさせてもらいます。「普段から腰は満遍なくストレッチしておこうね♡」と(笑)で、自分の体験から言える事は、自分の腰と合わない流派を学ぶという事は、長い目でみれば己の身体の幅を広げるという意味で決して無駄ではないという事と、でも、やはり身体(特に腰)に掛かる負荷は "合ってる腰の人達" に比べれば格段に大きくなるので、それを自覚して、鍛錬はあくまで、慎重に、丁寧に進めていただきたいという事だ。


『ヨガ・猫のポーズ』

という訳でお待たせしました。腰と背骨を満遍なく伸ばす事の出来るヨガの猫のポーズをご紹介するとしよう。

非常にポピュラーなポーズではあるので、ヨガをやっていない方でも一度は目にした事のあるポーズではなかろうか? ヨガの門外漢ではある俺だけど、背骨と骨盤、そして肋骨と肩甲骨のストレッチに、また呼吸筋(呼吸に関わる深層筋群)の調整用として若い頃から愛用させていただいているものだ。

さてさて
お気付きの事と思うが

今回も新しいトピックが登場したよ!
肋骨と肩甲骨、そして呼吸だね!!

肋骨と肩胛骨は『背骨の伸長』を実現させるためには骨盤の次に大切な場所であると認識しておいていただきたい。骨盤から生まれ、上に向って垂直に背骨を昇る波動状の(うねりの)運動がスムーズに頭部まで伝わるには、途中にある肋骨もその運動に合わせて柔らかく波打たなければいけないわけで、肋骨が鳥籠のように硬いままではそこで運動がストップしてしまうからだ。また、肋骨を柔らかく動かせる前提条件として肩甲骨もゆるゆるに緩んでいる必要があるわけで、要するに肩胛骨が柔らかく振る舞えるという事は『肩甲骨と肋骨の間の筋肉』が柔らかく緩んでいるという事なので、言ってみれば『肋骨と肩甲骨』は『骨盤と股関節』の様な一対の関係にあるとご理解いただきたいのだ。

またこのポーズは呼吸を司る筋肉群も十全に活性化してくれるので、非常にやり甲斐のある呼吸トレーニングでもあるわけで、呼吸といえば、昔はよく「腹筋を鍛えろ!」とか言われたものだけれど、今の常識では、呼吸はそんな単純なものではなく(もちろん腹筋も必要だけれど)、先ずは横隔膜、そして腹腔を構成する腹横膜と多裂筋(背骨を支える)、それらの収縮から生まれる圧力を下で支える骨盤底筋等々・・・後は現代のスポーツシーンで盛んに言われ始めている大腰筋(主に大腿骨を振り上げるための筋肉)なんかも、強力な腹圧を生み出す支えとしては非常に重要な働きをしていると感じるわけで、色々聞きなれない筋肉の名前を出してしまったけれど(それは今後のCGによる解説に譲るとして)、要するに呼吸には今流行りの『インナーマッスル』が深く関わっているというわけで、そんな難しい知識を知らなくっても、この猫のポーズを無心にこなしていれば自然とそれらが強化されるという好都合極まりない仕組みになっているというわけだ(笑)

以上の理由から、今後ご紹介する呼吸の鍛錬に向けて、『最初から腰が立っている人達』にもこの猫のポーズはやり込んでおいていただきたいと思う。腰が立っていたとしても(理想的な姿勢だったとしても)腹の中の筋肉が十全に柔らかいとは限らないので。呼吸に関与する深層筋群は(まあ筋肉全般に言える事だけれど)柔らかければ柔らかいほど高機能のパフォーマンスを発揮できるものだから( "柔らかい" のと "たるんでいる" 事とは違うからね。念のため)

いつものように前置きが長くなったので
この辺でやり方のご説明をば(汗)




やり方

・基本ポーズは、両手は肩幅、両膝は腰の幅に広げて四つん這いとなる
 (両手は肩の真下、両膝は骨盤の真下辺りに置く)

・基本ポーズのまま準備の一息を吸う(吸息)

・背中を丸め、お腹を引っ込めながら息を吐いていく(呼息)
 (頭は両腕に間に入れていく)

・息を吐き切ったら、今度はゆっくりと息を吸いながら背中を反らしていく(吸息)
 (目線は斜め上を向く)

・『丸める〜反る』を1セットとし、3〜5セットほど繰り返す

・反った状態から、調整の一息を吐きながら基本ポーズに戻る(呼息)

・基本ポーズに戻ったら、そのままの状態で2〜3回深呼吸をする(調息)

・息を『吸うときは鼻から』、『吐くときは口から

・呼吸と動作はできるだけ一致するよう意識する
(呼吸と動作のスピードを一定にし、吸い終わったら、または吐き終わったら動作が終了するように)

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両手は肩幅に、両膝は腰の幅に

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両手は肩の真下、両膝は骨盤の真下辺りに

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背中を丸める時はお腹を見る様に

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背中を反る時は天井を見る様に

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終了の基本ポーズで呼吸を整える(調息)


『呼吸の狭間を大切に』

ここで呼吸に関する注意点を一つ。

それは、『呼吸の狭間(吸息と呼息の間、もしくは呼息と吸息の間)』、動画で示したタイミングでいえば時間にしてわずかに1秒くらいの間は、きちんと息を止めておいて欲しいという事。『止める』という言葉を使っては、ちょっと能動的に過ぎるかもしれないので、ここでは「きちんと止まってるよね?」と確認するくらいの意識で丁度良いかと思う。

東洋の呼吸法では『息を止める事』を非常に重要視する。今風に言えば、丁度、アイソメトリックス効果を狙っていると理解していただければこの段階では十分だと思うけれど、猛烈ないきみを伴って息を止めるやり方から、逆にいきむ事はせず、静かに長い時間(1分とか2分)息を止めるやり方まで色々あるけれど(※)とにかくこれらの方法は呼吸に携わる筋肉群を飛躍的に強化(呼吸力を上げる)するには持って来いの方法ではあるのだ。
(※)喉を締めて「カー!」とか「コー!」とかいう音を出すのもこの範疇に入ると考える。要するに出口を閉じて内側の圧力(腹圧)を逃さないようにしているのだ。

しかし、効果が高いという事は負荷が高いという事でもあるわけで、極端に強い止息(しそく)は真っ先に、内臓、特に心臓に負担を強いる事になり、また高い腹圧は脳圧をも高めるわけで、脅かすわけではないけれど寿命を縮める事にもなりかねない危険性をはらんでいる。また声を出す事を専門とされている方達(歌い手・俳優)にとっては、『息を強く吐こうとすると喉を締めてしまう』という悪い癖にも繋がる恐れがあるので(息を止める鍛錬の三倍の発声練習をこなせば克服できるけれど)常に危険と隣り合わせのトレーニングである事をしっかりと頭に入れておいていただきたいと思う。

以上の理由から、この連載において『強い止息の鍛錬』をご紹介するか否かはまだ検討中ではあるけれど、これらの危険性を差し引いても、息を止めるという事は非常にやりがいのあるトレーニングでもあり身体運動の上達の鍵を握るものでもあるのだ。

(ここからは中・上級者向けのコメントとなる事をご了承いただきたい)

よく『呼吸と動作を合わせる』というけれど、ほとんどの方達は『予備動作(例えば拳を引いてパンチの準備をする時)で息を吸って、本動作(この場合はパンチを出す!)で息を吐く』という理解をされている事とは思うけれど(戦術としてあえて逆をやる場合もあり)、俺は、その本質は息を止めている時、要するに『呼吸の狭間』にあると感じていて、先の例えでいえば、拳を引いて いざパンチを打ち出そうとする切り替えのタイミングは、丁度、呼吸が吸うから吐くに転じる間(ま)でもあり、極々注意深く身体の内側を感じるならば、呼吸に関わる深層筋群が吸うから吐くに転じようとする、正にその(呼吸の)動きが(※)、背骨を中心とする全身の骨格を通して手足に伝わり "表向きのパンチ" という動作を生み出している事に気付く事が出来るはずだ。
(※)表向きの息が止まっていても呼吸筋は次の呼吸に向けて動き続けているという事。俺は『静中の動』とはこの事を指していると考えている。

但し、上記の在り方が成立する為には、十二分に身体が練れ、『内側の深層筋群と、手足や腹筋・背筋等の外側の筋肉群が連動して使えるようになった者』のみにいえる事だけれども(太極拳では『内外一致』という)、逆にいうと、その様な状態(内外一致)にシフトするためには、この『呼吸の狭間』の深層筋群の動きを感覚として捉え、それを外側とリンクさせるという身体的・意識的トレーニングが不可欠であると断言しておきたい(これ、試験に出るからね!賭けてもいい!はらたいらに3000点!!

まあ、上記の様な深い状態にこの連載がどこまで迫れるのかは疑問だけれど、この連載の主眼でもある『背骨の伸長』においても呼吸は非常に需要なポジションを占めるものなので、後々時間を割いてじっくりとご説明する予定ではあるけれど、先ずは、初心の方々にも上級の方々にも、このヨガの猫のポーズでしっかりと呼吸に慣れておいていただきたいと思う。


予定していた股関節に関する説明は次回以降させていただきます。
悪しからず。


・・・続く


by genshu-juku | 2018-05-20 12:20 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(4)