殺陣師の佐藤雅樹が殺陣と武道修行から得た "気付き" を易しく解説します


by Masaki Sato

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垂直に伸びる背骨_17 骨盤と背骨のストレッチ_④

ダンス・ストレチ

さて、今回から数回に渡り、少し専門的な、という事は少しキツめのストレッチをご紹介して行こうと思う。というのも、武術や舞踊等の良質の型を何も考えずに何十年もやり続けて行けば、確かに目指すゴールには辿り着けるのかもしれないけれど、何事においても効率化が進み、スピーディーになって来ているこの現代に於いて、そんなノンビリした事を言ってたら大変勿体無いと感じるわけで、昔なら「ゴールに辿り着ければ本望」と考えられてたんだろうけれど、今の俺なら「ゴールに辿り着いてからが人生の本番じゃね?」って思うので、時間を掛ける事の大切さは誰よりも知ってるつもりではあるけれど、ここでは敢えて効率的な方法を開示して、多くの方々に、早く、この境地を味わっていただければと願う所存ではある。

但し、効果が高いという事はそれだけ身体に掛かる負担も大きくなるわけで、今後ご紹介するストレッチに関しては、プロのダンサーのような柔らかさまでは必要としないけれど、やっぱり、日頃からストレッチを日課にされている方達にのみお試しいただきたいと思うのだ。もし、そうでないという方がいらっしゃったならば、先ずは一般的なもので構わないので、しばらくの間(2〜3ヶ月は)それらで十分身体を慣らしてから、少しずつここにご紹介する方法を取り入れて行っていただければと思う(「早く」と言っときながら申し訳ない!)


ではでは、前置きが長くなったので
これまでの おさらい をば・・・(笑)

気を持たせるな!とお怒りになるなかれ、今回ご紹介するストレッチに直接関係する事なので、今一度、頭を整理していただきたいと思う。

といわけで、この長い長い連載を通して伝えたい事・・・さっきから話してるゴールとは、『背骨が、柔らかく、垂直方向に伸び縮みする状態』の事を指すわけで、俺的には、この背骨を総動員する運動が適度に脊髄神経を刺激し、引いては脳の健康に寄与すると考えているわけで、また、武道や舞踊等の身体文化を実践されている方々にとっては、身体の "芯" から伸びる "軸" の形成に、この運動がどれほど効果的に作用するかはご自分の事として容易にご理解いただける事と思う。

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この連載のテーマ『背骨の伸長


それでは、張り切っておさらいをしよう!

先ず最初に、この背骨の在り方に到達するまでの第一段階として、『腰と胸と頭が一直線上に乗る "ポジショニング" 』が必要になってくるんだったよね(下の写真参照)

f0074992_15263524.png
いわゆる『軸が利いている』状態


次に、このポジショニングを成立させる為には『腰(骨盤)を縦方向に回転させ、その回転を胸と頭に伝えて姿勢を真っ直ぐに立てる』という作業が必要だったはず(具体的な動作は下のGIF画像を参考にされたし)

f0074992_18471350.gif
反る腰(腰が反り気味)』の人はこんな感じ


f0074992_18474482.gif
丸まる腰(丸まり気味)』の人は上とは逆の動作になる


ここで大切な事は、前後方向の胸の位置(ポジション)は動かさないという事(若干上には上がる)。そして、単に胸を反っているわけではないという事を十分に理解する事で、あくまで『腰の上に胸を、胸の上に頭を、丁寧に乗せていく』という感覚を目指そうという話だった。

また『胸の位置を動かさない』という事は、慣れない人達にとっては意外と難しい事とは思われるので、以前ご紹介した 感覚養成法 を参考に理解を深めておいていただきたいと思う。


ダンス・ストレッチ

というわけで、ようやく本題!!
前置き長かったなぁ〜〜(笑)

今回ご紹介するのは、俺が30年前にアクション俳優の養成所でダンスの先生に教えていただいたストレッチ!! ここでは、あえてダンス・ストレッチ なんて呼ばせてもらうけれど、このストレッチが初めてという方向けに、また、狙う効果を『背骨の伸長』に特化させるために少々簡略化をさせていただいています・・悪しからず (^^;)




一見してお分かりの通り、開脚をしながら、骨盤を支点として背骨を真っ直ぐに立てている(軸は斜めになっているけれど)。言い方を変えれば、先にご紹介した、ここで言うところの『腰と胸と頭が一直線上に乗る "ポジショニング" 』を開脚をしたまま行っているという事なんだよね。

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開脚のまま背骨を真っ直ぐに立てる(軸は斜めで良い)


このストレッチの効能は計り知れなく、正直、これ抜きで自分は『背骨の伸長』を獲得出来ただろうか?と思うくらいのもので、何が良いのかと言うと、先ず動作そのものが『背骨の伸長』の基礎段階そのものだという事。次に、ここが一番大切なところなんだけど、腰と背骨、そして股関節の連携を正しい形で身に着ける事が出来るという事なのだ。詳しくは後述するけれど、『腰と背骨と股関節の連携』、言い方を変えると『腰と背骨と股関節が "一つのものとして機能する"(させる)事』が、背骨の伸長に於いては最も肝心なところだからだ。まあ、見た目通り、股関節のストレッチではあるのだけれど、目的はそこだけに留まらないと言う事だよね。

やり方は

・ご自分の股関節の許容範囲で開脚をし
 背中を丸めた状態で深く息を吸う

・息を細く吐きながら、ゆっくりと背骨を起こしていく
(その動きの起点は骨盤の回転から)

・背骨が真っ直ぐになった状態で一息吸い

・息を吐きながら、ゆっくりと元に戻す

・以上を3〜5回ほど繰り返す


注意点としては、なるべく力を抜きながら、丁寧に行うという事。

単純に "柔らかくする" 為だけの運動ではなく、腰と背骨と股関節の『神経回路の構築』を目的としているので、誰かに力づくで押してもらう等の外圧を掛ける事だけは厳に謹んでいただきたい取り返しのつかない故障を引き起こすおそれがあるので。

また、慣れないうちは、「自分がどれだけ真直ぐになっているか判断が付かない」と思うので、鏡を使うとか誰かに見てもらうとかしながら、自分の感じている感覚と実際の身体の在り方を上手に擦り合わせて行っていただきたい

特に最初のうちは、背骨を真っ直ぐにする為には「自分なりにかなり反らなくてはいけない」と感じるものなので、焦りは禁物で、これはストレッチでありながら筋力トレーニングでもあるのだから、柔軟性と筋力の増加に伴い、少しずつ、楽に出来るようになって行くはずなので、決して無理をなさらずに気長に取り組んで行っていただきたい。また、開脚の度合いも、すでに柔らかい人なら180度近く開けるかもしれないけれど、そうでない人も、気にする事なく、ご自分の開ける範囲で行っていただきたい。大切なのは、繰り返しになるけれど、腰と背骨と股関節を『三位一体』で動かせるようになる(動かそうと努力し続ける)事なので。

尚、柔軟性と筋力がアップしてくると、下の写真の様に "真っ直ぐを通り越して反る事も出来る様になる" とは思うけれど、これは腰と背骨に強い負荷が加わるのでお勧めしません。てか、危ないのでやらないように!

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グキッといっちゃうよ!!


続いて

『両足裏を合わせるバージョン』

やり方や注意点はほぼ前述した『開脚バージョン』に準ずるのだけれど、足裏を揃えている分、股関節に生じるテンションを(足先の回転等で)逃しにくく、という事は『開脚バージョン』よりもより股関節に効く構造となっている。同時に、骨盤も『開脚バージョン』に比べてやや動かし難くなってくるので更なる慎重さを持ってトレーニングに臨んでいただきたい




やり方

・両足裏を合わせた状態で背中を丸め、深く息を吸う

・息を細く吐きながら、ゆっくりと背骨を起こしていく
(その動きの起点は骨盤の回転から)

・背骨が真っ直ぐになった状態で一息吸い

・息を吐きながら、ゆっくりと元に戻す

・以上を3〜5回ほど繰り返す

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背骨を真直ぐに立てるのは『開脚バージョン』と同じ


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反りすぎたら危険なのも同じだよ!!


『開脚バージョン』にも言える事だけれど、背骨を真っ直ぐに立てる事にあまりこだわらないように。しつこいようだけど、このような窮屈な状態で「骨盤・背骨・股関節をコントロールしよう!」と努める事が大切なのであって、例え、見た目で背骨が曲がったままであったとしても、少しでも骨盤や背骨や股関節が動かせるようになったとしたならば十分に成果が上がったという事なのだから

それに、俺だって、ぶっちゃけダンサーさんみたいに柔らかくはないんだもの!脚なんて全然上がらないし(笑)なので、外側の柔らかさと内側の筋肉の柔らかさ、もっと言えば内側をコントロールする神経回路の構築の度合いなんかは一対一で対応はしていないという事なんだよね。なので、「脚がそんなに開かない」とか「背骨を真っ直ぐに出来ない」からといっても直ぐに諦める事の無きよう、丁寧に、根気強くトレーニングを続けて行っていただきたいと願う。


最後に、両バージョンのストレッチに共通する注意点だけれど、股関節の意識はあくまで受け身専門であって、「あー今、内側に捻転してるなぁ・・」とか感じるだけで構わないという事だ。再三「腰と背骨と股関節を『三位一体』で動かす」とは言ってきたものの、『股関節の動き』とは、腰と背骨との関係性の中で、自然に、必然的に決まってくるものであって、意識と動きの中心はあくまで腰=骨盤である事に変わりはないので。


『股関節について』

股関節は骨盤の "寛骨臼(かんこつきゅう)" というくぼみに太腿の骨の "大腿骨頭(だいたいこっとう)" がスッポリはまっている構造をしている(下の写真参照)

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俺の子供の頃からのバイブル『学研まんが・からだのひみつ』のヒトちゃんが、「丁度、ペンさしのようだ」と上手い例えをしているけれど、一般の方達の股関節に対する認識も同じ様なものだと考える。

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↑ ヒトちゃん大好き!


動きのイメージを具現化すると、下のGIF画像の様になるだろう。

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股関節の動きの一般的認識


でね、敢えてショッキングな言い方をさせてもらうなら、股関節にも僅かだけれど隙間(あそび)があって、その範囲内において割と自由に振る舞える(動かせる)ものなのですよ(と言ってもその動きは、前述した通り、『骨盤と背骨との関係性に於いて自ずと定まる』ものだけれど)

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誇張してるからね♡


上のGIF画像では寛骨臼の中で大腿骨頭がグリグリ回っているけれど、それは、いつもの通り誇張してはいるんだけれど、身体がこなれた人達の股関節はこれに近い形でズレ動き続けているんだ。

何故それが必要なのかというと、身体がこなれた人達の骨盤は(この連載でいつも言ってるように)左右に分離して使えるようになっていて、例えばこの連載のゴール『背骨の伸長』に於いては下のGIF画像のように左右に開く動きをしているわけで、そのような場合に、股関節がピッタリとくっ付いていてペンさし様の動きしか出来ないとしたら、その動き(骨盤の変化)がダイレクトに大腿骨に伝わってしまい、両脚でバランスを取るのさえ難しくなってしまうからだ。

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っていうか、股関節がガッチリ固まってしまっていては、そもそも骨盤の分離は起こり得ないのだ。何故なら、骨盤が(その他の骨にも言える事だけれど)変形出来るという事は、身体のどこかにその『変形から生まれる力』を吸収をし、逃してあげられるスペース(あそび)が存在するだからだ。

というわけで、股関節が僅かにズレ動く事によって骨盤の変形から生まれる力を吸収し、この場合(股関節)は特に、大腿骨を通して下肢にその力を伝達し、バランスを保ち、もしくは脚による運動(移動や蹴り等)を引き起こす切っ掛けになってくれるというわけなのだ。


いかがであったろうか?

ご覧いただいた通り、今回ご紹介したダンス・ストレッチは、骨盤の回転のさせ方から背骨の立て方、股関節の在り方までを引っくるめてトレーニング出来る大変優れた方法なわけで、是非ご自身のルーティンワークに取り入れていただきたいものだと思う。但し女性の方達の中には、先天的に股関節が変形されている方や、筋力不足から股関節の靭帯が緩んでいる方もおられると伺っているので、痛みや不調が少しでもある場合は決して無理をなさらずに注意深く取り組んでいただければと思う。


次回、もう少し股関節について解説させていただきますので。


・・・続く

by genshu-juku | 2018-03-24 22:36 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(4)