殺陣と武道修行から得た "気付き" を易しく解説します


by Masaki Sato

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カテゴリ:垂直に伸びる背骨(連載)( 19 )

垂直に伸びる背骨_19

呼吸法・前編 _① 呼吸のメカニズム

さてさて、ストレッチ編の途中ではあるけれど、必要性を感じたので『呼吸法の基礎』だけは先にご紹介しておきたいと思う。呼吸のなんたるかを漠然とでも良いので知っておく事ができれば、今後の展開への理解もスムーズに進むと考えたので。

というわけで、今回は『呼吸のメカニズム』について。

頑張って CG 作ったので(笑)
少しは分かりやすい内容になってるのでは?と自負しています。

但し、今回はメカニズムのみのご紹介とし、実践法はあえて載せていないので悪しからず。先ずは全体的なイメージと理屈を大体で良いので頭に入れておいていただきたいと思う。

もちろん、これからご紹介する三つの呼吸を動画を参考に試していただくのは大歓迎だ。

その場合は以下の要点

・吸う時は鼻から

・吐く時は 鼻か 口から
(勢いよく吐けば自ずと口から出て行きます)

・姿勢は真っ直ぐに

・特に上半身はリラックスさせて


を守って行っていただければと思う。

また、各呼吸に関してはいずれも "楽に" 行っていただきたいと思う。身体が出来ていないのに(各部分が柔軟でないうちに)いきなり力んでしまっては、呼吸が生み出す圧力の "逃げ道" が無くなり、脳をはじめとする内蔵諸機関にダメージを与えかねないので。


それでは、張り切って行ってみよ〜〜!!



『腹腔(呼吸筋群)』



『腹腔』とは腹部の内臓が収まっている空間を指す。その空間を構成する四種の筋肉(群)をここでは呼吸に関わる筋肉として "呼吸筋群" と呼ばせていただきたい。

内訳は次の通り

横隔膜(図では赤色)
腹横筋( 〃 黄色)
多裂筋( 〃 緑色)
骨盤底筋群( 〃 青色)


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中でも重要な役割を果たしているのが、胸部と腹部を仕切っている膜状の筋肉 "横隔膜" だ。この横隔膜が(膨脹と収縮を伴い)上下に動くことによって、肺が、ある時は横に広がり、ある時は縦に引き伸ばされて深い換気(呼吸)が行われるという仕組みになっている。

また、横隔膜が上下する際には他の呼吸筋も連動して動くという構図になっており、その関連性は下の図の通り

横隔膜が下がれば 腹(腹横筋)が膨らみ 骨盤底筋群も下がる
横隔膜が上がれば 腹(腹横筋)が凹んで 骨盤底筋群も上がる

となっている。


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なぜこのような連関が生まれるのかというと、そこに "内臓" が関与しているからで、簡単な話、横隔膜が下がれば、それに押される形で内臓が下降し、内臓に押し出される形で腹(腹横筋)が膨らみ、それに伴って骨盤底筋群も下に向かって膨らむ(下る)という構図だからだ(上がる時はこの逆のメカニズム)

なので、十全な呼吸を行えるようになるための条件とは、もちろん呼吸筋群そのものの柔らかさが重要なのは言うまでもないが、先ずは『内臓が柔らかである』ということが言えると思う。

「筋肉が、硬い、柔らかい」というのは聞いたことがあるが、「内臓の硬さや柔らかさ」なんて初耳だという方もおられるかと思うが、生まれたての赤ん坊や子犬や子猫のお腹を想像していただければ了解していただけると思うけれど、若い内臓はプニョプニョのポニョポニョなのですよ(笑)それが歳を取ってくるとだんだんと硬くなってくる・・その硬さが限界点を超えると病気になる。肝硬変とか言うじゃないですか!

要するに、硬い内臓では血液の循環が滞りがちになる・・・血液の流れが滞れば不純物の排泄がうまく行かず、また栄養や酸素も供給不足になってしまうというわけなんだけれど、特に小腸や大腸に鬱積している血液は、中医学では万病の元と言われていて、慢性の倦怠感やお肌のトラブルもこの鬱血によって引き起こされていると考えられている。

ということで、"内臓の柔らかさ"とは、健康に直結するとても重要な要素であり、呼吸法によって内臓を上下に無理やり引っ張り上げたり、押し潰したりする、半ば強引とも取れる血液循環(笑)は、実に若さを保つ秘訣であろうと考えるわけだ。

また、物理的にも内臓が柔らかであればあるほど、より上下に移動してくれるので、その分 肺の "伸縮" と "膨脹" の度合いも大きくなり、空気の入れ替え、つまり呼吸がより深くなるというわけで、"健康" と "呼吸のパフォーマンスの向上" という二重の意味において内臓の柔らかさは重要でもあるのだ。

ここで、「私はちょっとしかお腹が出たり引っ込んだりしないので、きっと内臓が硬いのだ」と心配されるなかれ。手足の筋肉と同様、内臓もトレーニングを重ねることによって少しずつ柔らかさを取り戻すものなので、気楽に、気長に取り組んでいっていただきたいと思う。


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赤ちゃんのポニョポニョお腹は健康の象徴 ♡


内臓の柔らかさに触れたついでに "腹筋の柔らかさ" についても言及しておきたいと思う。

世の中の美意識は、今のところ "バキバキに割れた腹筋が美しい" とされているみたいだけれど、こと呼吸法の観点からすれば、硬く締まり過ぎた腹筋は、いくら内臓が柔らかくとも、「腹を膨らませたり凹ませたりするのが難しい」という点において呼吸法には向かないと言わざるを得ない。呼吸法に関していえば、腹筋はあまり硬すぎず、よく伸び縮みするものが望ましいと言えよう。

こう言うと「締まりの無い腹筋では十分なパフォーマンスが発揮できない」と仰る方が必ずおられるけれど、それは大きな勘違いをなさっていて、要するに「柔らかくよく伸び縮みする」と言う事を「単に たるんでいる」と誤解されているだけで、決して "たるんだ腹筋" を推奨している訳ではないという事をご承知おきいただきたい。

また、パフォーマンスの向上という観点から見てみても、今は盛んにインナーマッスルという事が言われ、様々なトレーニング方法が紹介されているけれど、腹筋を初めとする外側の筋肉をガチガチに固めてしまっていては、折角のインナーマッスルも力を発揮する場を失ってしまうことになりかねないのだ。

何故なら、今回ご紹介している呼吸筋群こそがインナーマッスル中のインナーマッスルであって(もちろん他にも色々あるけれど)、動画をご覧になっておわかりのように、腹の内側でこれほどの運動が行われているという事実があるわけで、それがたとえ呼吸に関わる運動であったとしても、その運動が外側のパフォーマンスに影響しないなどということはあり得ないわけで(現に武術界では『呼吸筋群から生まれる運動を手足に伝える』という方法論を採る)、繰り返しになるが、腹筋を硬く締めてしまっては腹が十分に出たり入ったり出来なくなり、引いては呼吸筋群の動きを制限してしまうことに繋がるからだ。

まあ、美的センスからいえば、若い人達に「腹筋とか そんなに割れてなくていいから」とは なかなか言えないけどね(笑)

なので、若いうちは腹筋バキバキで運動してもらっても全然構わないと思うし、それでも呼吸法に興味があると仰るなら、ストレッチの一環として「健康のために腹の中も伸ばしといてやるか」くらいの軽いノリで取り組んでいただければと思う。その習慣は年齢を重ねるごとに徐々に(もちろん良い意味で)効いてくるはずなので。



『胸式呼吸』




胸式呼吸のメカニズムは読んで字の如く『胸で吸って胸で吐く』ということ。吸う時に肋骨(胸郭)を、前後左右に、立体的に開くことによって肺を拡張させるわけで、その際に横隔膜も上に引き伸ばされるので腹も自然と(少しだけ)凹む(横隔膜を意識的に引き上げているわけではない)

「肋骨が開いたり閉じたりするの!?」とビックリされるかもしれないが、肋骨と肋骨の間にあるのも "肋間筋" という筋肉なので全然不思議ではないのですよ(皆んな大好きなスペアリブね ♡)『よく伸び縮みする筋肉が良い』とされるのはここでも同じと言うことですな。


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胸式呼吸で気を付けていただきたいのは、次に挙げる『腹式呼吸』に比べ、発声やヨガ、ピラティス等の身体文化によってその解釈が微妙に異なると言うことだ。

思い付くままに挙げれば

<一般的にいわれている事>

・肋骨は横方向だけに開き、腹は動かさない

・その際に肩を上げてはいけない

(上とは逆に)

・肩を上げることによって息を(肺に)吸い込む

・肩が上がり緊張してしまうので肩こりの原因となる


ということになるのだが、これらを全て網羅することは到底不可能な事なので(全く逆の事を言ってたりするので)ここでは『俺は30年間こうやって鍛錬してきました』という "俺なりの方法論" をご紹介するつもりだ。読んでいる方々にはそれでは不安に思われる方も多くおられると思うので、ご自分で色々調べてみて、最終的にご自分に合った胸式呼吸を選んでいただければと思う。

なので、改めて俺流の胸式呼吸の要点を述べさせてもらうなら

<俺流>

・肩は上げない

・肋骨(胸郭)を前後左右に広げる

・その際 横隔膜も上に引っ張られるで 腹も自然に(少しだけ)凹む

・横隔膜に下から押されるので、肺は、鎖骨あたりまで、上にも膨らむ


ここで最も大切な事は "肩を上げない" という事。肩が上がってしまっては、一部の方達が主張しているように、肩周り、引いては首の周辺が緊張してしまうので、腕を使うパフォーマンスや発声に悪影響が出てしまう

それでは、何故肩が上がってしまうかといえば、肋骨の上部を開こうとするする際に、その周辺の鎖骨や首、肩周りの筋肉が硬いために "拡張しようとする力" の行き場がなくなって肩を上げてしまうというわけだ。まあ、そもそも、肩周り、首周りの筋肉の硬い人達は肋骨の上部も開かないものなのだけれど。

なので、俺の言う胸式呼吸を実践していただくためには、先ず第一条件として『肩周り・首周りの筋肉を十分に柔らかくしていただく』という事が言えると思う。肋間筋(スペアリブ)の柔軟性はそれにつられて自ずと着いてくるものなので。

肩周り・首周りの筋肉を柔らかくするためにどうすれば良いのかというと、先ずは前回ご紹介した "猫のポーズ" を根気よく続けておいていただきたいと思う。かのストレッチは、肋間筋の柔軟性も含めて、非常に効果の高いものだから。



『腹式呼吸』




腹式呼吸とは『吸う時に腹が膨らみ、吐くときに腹が凹む』、要するに『腹で 吸って腹で吐く』呼吸を指す。

そのメカニズムの中心は "横隔膜の上下運動" であり、横隔膜が下降することによって肺が縦に引き伸ばされてその容量を増し、横隔膜の上昇によって肺が上に押し潰され、内包する息を外に吐き出すということになる。だから、結局、空気を出し入れしてるのは肺に他ならないわけで、その肺を変形させている元(原動力となる筋肉)はどこか?という話なんだよね、◯◯呼吸と呼ばれる要因は。


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この腹式呼吸こそは、発声法やその他リラクゼーション法(引いては普段の健康維持)に於いても極々一般的なものであり、基本中の基本ではあるので、しっかりと練りこんで(鍛錬を積んで)、出来れば日常生活の中で意識しなくても腹式呼吸で居られるようにしておいていただきたい

個人的には呼吸の練磨には終わりが無いと思っていて、単純に肉体的な面だけに言及してもその深さは果てしがなく、例えば、十年も賭けて呼吸筋群や内臓を柔らかくし、横隔膜も十分下降するようになって、もうこれで完成だろうなどと高をくくっていると、ある日突然、丁度足元の地面がズブズブと沈んで行くかのように、骨盤の底の底、"骨盤底筋群" が呼吸に参加し出して(それまでは使えずに眠っていた)、呼吸の質が一変するなどという事は日常茶飯事な事なので、皆さんにも、是非、この深淵な世界を楽しみながら歩まれて欲しいと願う。


ここで骨盤底筋(群)に関する注意を一つ

昨今、テレビの健康番組等に於いて普通に "骨盤底筋" という言葉が聞かれるようになり、ましてや "女性の尿もれ対策としての筋トレ" なども紹介されるに至っては、時代も変わったなあと隔世の感を禁じ得ない。10〜20年前、若い女性達にこの辺りの説明をする時の苦労ったらなかったんだもの(笑)それはさて置き、筆者が身を置く中国武術や気功の世界に於いては、この骨盤底周辺の開発(トレーニング)は『"修行の最終段階" に "自然と開かれる" のが良い』とされていて、どういうことかと言うと、この辺りは非常にデリケートな臓器が密集しており、尚且つ、骨盤底筋群そのものもとても繊細な作りをしているので、まだ身体が出来ていない状態で(硬くて融通の効かない段階で)無理にこの周辺を酷使すると致命的な故障を引き起こしかねないと考えられているからだ。事実、この俺も、若い頃はもちろん、30年間呼吸を練ってきた今でさえも、オーバーワークでこの辺りを傷めてしまい、股間、特に肛門の痛み(←痔ではないよ)で夜も眠られないのなんかザラなのだ。

もちろん、やり過ぎなければ、尿もれ対策としてその周辺の筋トレを行うのは間違ってはいないと思うのだが、一つ大切な事として、前述したように腹腔の呼吸筋群が、満遍なく、 "連動して動く" ようになりさえすれば、特に骨盤底を意識しなくとも、呼吸をする度に、自然と肛門や尿道が締まってくれるようになるわけで、そこをしっかりと頭に入れて、遠回りには感じるだろうけれど、あまり偏る事なく、全体的なバランスを考えながら、気長に呼吸法に取り組んでいただきたいと思う。

ちなみに、『呼吸筋群が連動して動く』という状態は、何か特別な事ではなく、我々が生まれながらに持っていたにも関わらず、多くの人達が成長するにつれて忘れてしまった事に他ならないのだ。生まれたての赤ん坊を思い出してもらえばお判りのように、彼らは息をする度に、それと連動させるように手足をバタつかせているではないか!それを現代の大人達は「身体が未分化なのだ」と捉えているようだけれど、武道その他の修行者達にとっては、呼吸と手足、引いては全身が連動しているその状態こそが "目指すべき目標" であって、言葉を替えれば『大人になって忘れてしまった "生まれたてのあの状態" に戻る事こそが修行』なのだということだ。



『逆腹式呼吸』




逆腹式呼吸は上述した二つの呼吸、胸式と腹式の複合型とも言え、少々難しくなるのだけれど、『吸う時に胸が膨らみ、吐く時に腹が膨らむ』というもの。言い方を変えれば『胸で吸って腹で吐く』という事になるのだけれど、胸式の要領で肺を目一杯に広げて息を吸い込み、横隔膜を限界まで下降させ(腹を膨らませながら)"肺を細長くして息を吐く" という仕組みなのだ。

で、この『腹を膨らませながら息を吐く』という状態が非常に不自然でキツいわけなのよ(笑)だって通常の腹式呼吸では(腹を膨らます)その状態で息を吸うわけだし、その方が自然なわけじゃない?だって、肺が細長くなればそれだけ容量が増えているってことだからね。

ま、理屈で考えれば、胸郭を広げて空気を取り込み、その次に横隔膜を下げていけば・・という事は肺の形を元に戻していけば、ある段階まで空気が抜けて行く事は容易に理解できる。でも、その境界を超えて横隔膜を下げていけば、肺の容量だけを見れば再び増えていくわけで、それでも息を吸わずに吐き続けるという事は、こここらはあくまで自分の体感の世界に過ぎないのだけれど、肺が細長い状態から、さらに、僅かではあるけれど縮小するという事で(← 丁度 風船が萎むように)、この状態は身体的にとても負荷の掛かる状態ではあるけれど、こと "鍛錬" という観点から見れば、呼吸に関わる深層筋群も、ましてや肺という臓器そのものも鍛えられるという、正に "呼吸鍛錬の王道" とも言える方法なわけだ(笑)

ちなみに、腹を膨らませて息を吐き続けた後、ふっとそのホールドする力を緩めた途端、自ずと、雪崩れ込むように空気が肺に入ってくる爽快感は何物にも代え難いものだ(キツいだけにね ♡)


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なので、この逆腹式呼吸はもっぱら武道・武術家(その他 "修行" を人生の目標とする人達)によって鍛錬されてきたという歴史があるわけで、それだけハードなものではあるけれど、それは、イコール、鍛錬の効果が非常に高いという事になるわけで、胸式と腹式をしっかり鍛錬してきた人達が更に上を目指す為には打って付けの鍛錬法だと信じている。

なので、この連載に於いても、先ずは腹式呼吸からゆっくりとその実践法を紹介して行って、しばらく間を開けてから、仕上げの段階として逆腹式呼吸の実践法をご紹介できればと思っている。


ちなみに、これをお読みの方達の中で、発声法などで既に呼吸の鍛錬は十分こなされて来たという方々には、是非、動画を参考に逆腹式呼吸を体験していただきたいのだけれど、一次的に、声質が変わってしまったり、喉を締める癖がついてしまったりと、やはり、完全にモノにするまでは副作用的な状態も経験される事になるとは思うので、その点は十分認識された上でお試しいただきたいと思う(ちょっと体験される分には全く問題ありませんので)

また、その際の注意点としては『胸式や腹式呼吸に比べて より一層 上半身をリラックスさせる』という事が挙げられる。

逆に言うと、上半身が完全にリラックスしていないと逆腹式呼吸を行うのが難しいという事になるのだけれど、それが体現出来てしまえば『腹にはしっかりと力が入っていて(腹圧が掛かっていて)尚且つ上半身が柔らかく使える』という身体運動においては理想的な状態を手に入れる事が出来るのだ!



『呼吸の精神への影響』

呼吸法を語る際にセットにして語られる事がある。そう、"精神への影響" だ。

よく言われるのは

・胸式呼吸は交感神経を刺激してヤル気を出させてくれる

・腹式呼吸は副交感神経が優位になってリラックスさせてくれる


ちなみに逆腹式呼吸の精神的効用はというと

・逆腹式呼吸は強烈な精神の安定をもたらす


と言われていて

どういう事かというと、面接とか何かもの凄く緊張する場面に於いて、胸式呼吸でテンションを上げるのも、腹式呼吸でリラックスを誘うのも正解ではあるのだろうけれど、「テンション上がり過ぎて注意力が散漫になって要らない事を口走ったりしないか?」とか、「リラックスし過ぎて逆にヤル気の無い様に映りはしないだろうか?」とかいう問題があるわけで、そういう時にこそ、面接の直前まで逆腹式呼吸を続けて本番に望めば、『心は深く落ち着いているのに、頭や身体は澄み渡り、キレキレのパフォーマンスを演じる事が出来る』という理想の状態に持って行く事が可能なのだ。

そう、逆腹式呼吸のもたらす『強烈な精神の安定』とは、決して "眠ったようなボンヤリとした状態" ではなく、『泰然と物事を俯瞰し、いざという時には疾風怒濤の如くに動ける』という、正に、表現者・アスリートとしては理想の状態を指すものなのだ。

また、このような状態を昔の人達はなんと言ったかというと

・肚(はら)が出来ている

・肚(はら)が座っている


と言ったわけで

昔の言葉で『肚を練る』といえば、「あえて精神的に辛い状況を体験すると」いう場合を除けば、逆腹式呼吸 様 の鍛錬を指したものなのだ。


ちなみに、なぜ呼吸法が精神に影響を与えるのかといえば、『神経叢(しんけいそう)』という神経が網目状に集まった、まあ "神経の集積所" みたいなものへの理解が必要で、神経が寄り集まっているなら、それらを上手く刺激できれば、当然、脳にも良い影響を与えるわけで(もちろん逆の場合も起こりうる)、なんと、呼吸の要である横隔膜には人体で最も大きな神経叢と言われる『太陽神経叢』が存在し、また、呼吸法が関わる最下端の骨=仙骨には『仙骨神経叢』があって、呼吸法を深く、骨盤の奥底まで行うという事は、この(主に)二つの神経叢に刺激を送り続けるという事に他ならないというわけなのだ。


(神経叢の CG、めんどくさくってスルーしました。各自でググってください / 笑)


さてさて、何となく呼吸のメカニズムを頭に入れていただけたとは思うので、次回からはいよいよ呼吸法の実践に移るとしよう。

途中でも書いたけれど、先ずは腹式呼吸の実践法を・・その後はストレッチ編に戻ってもう少し身体を柔らかくしてもらってから 胸式→逆腹式 へと進む予定だ。

先が長くてウンザリするかもしれないけれど
気長に、気楽にお付き合いいただければと思う (*´∇`*)


・・・続く


追伸
ここに掲載した内容(動画、画像も含む)は、筆者に許可を取る必要はございませんので、自由に、シェア、ご活用くださいますように。それによって、身体文化、引いては皆様のご健康に寄与できるのであれば望外の喜びであります。

by genshu-juku | 2018-07-19 17:11 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(3)

垂直に伸びる背骨_18

骨盤と背骨のストレッチ_⑤
ヨガ・猫のポーズ 〜 呼吸トレーニングへの導入

前回のダンス・ストレッチでは、この連載が始まって以来 初めて『丸まる腰から姿勢を真っ直ぐに伸ばす』ということに言及したため、多少混乱された方もいらしゃった事と思う。なんせこれまでは『反る腰から真っ直ぐに伸ばす』ことだけを説明して来たからねえ。

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『反る腰』から真っ直ぐに伸ばす

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『丸まる腰』から真っ直ぐに伸ばす


と言うわけで改めて説明させていただくと、もうお判りの通り、姿勢を真っ直ぐに立てる過程は『反る』から『丸まる』からの大きく分けて二つあるという事になるわけで(左右は除く)、後は、そもそも姿勢が良くって(← 生活様式等のお陰で)最初から腰が立っている(真っ直ぐな)人もいるけれど、今は『反る』からと『丸まる』からの二つの腰に話を集中させていただきたい。

で、俺の体験から持論を申し上げると、『両方を満遍なくトレーニングした方が上達は早い』という事に落ち着くのだ。

西洋式のダンスに慣れた人達にとっては奇異に映るかもしれないけど、東洋の武芸には "反るなら反る" 、"丸めるなら丸める" という『一つの腰』しか使わないものが多いんだよね(もしかしたらスポーツにも同じ事が言えるかもしれないけど)もちろん、それぞれの武芸にはそれらの腰を採用する理由というものがあって、当然それは術理に関係する事でもあるのだけれど(実は開祖がそういう腰だったというオチにも繋がるのだけれど)、で、その事は全く否定される事ではなく、流派を挙げてその腰の鍛錬に励むべき事ではあるのだけれど、こと健康という観点からみると、ある意味偏ったあり方ではあるわけで、稽古が終わった後にはストレッチ等で満遍なく身体をほぐしてあげるのが現在の常識なわけで、これはこの連載のテーマでもある『背骨の伸長』にも同じ事が言えるはずで、やはり、二つの腰の両方から攻めて行った方が理解や上達も早いだろうし、腰を故障するリスクも減ると考えるのだ。

ここからは完全に余談だけれど、『自分自身の持つ腰』と『自分が学ぶ流派の腰』とのミスマッチというものがあるわけで、例えば『反る腰』の人が『丸まる腰』を基本とする流派に入門するなんて話はよくあるわけで、で、そういう人達は周りと比べて自分の上達が遅い事に苦しんでたりするわけだけれど、普通の指導者なら「あ、君は腰が逆だから自宅で十分ストレッチをしなさい」とか簡単にアドバイス出来るんだろうけれど、頭が固くて尚且つ勉強不足の指導者なんかに当たった日には自流の崇高な技術理念なんかを滔々と語られて、なんか分かったような分かんないような気分にさせられて、結局何も解決していないという不毛な努力を強いられてしまうわけで、なので、ここで俺が代わってアドバイスさせてもらいます。「普段から腰は満遍なくストレッチしておこうね♡」と(笑)で、自分の体験から言える事は、自分の腰と合わない流派を学ぶという事は、長い目でみれば己の身体の幅を広げるという意味で決して無駄ではないという事と、でも、やはり身体(特に腰)に掛かる負荷は "合ってる腰の人達" に比べれば格段に大きくなるので、それを自覚して、鍛錬はあくまで、慎重に、丁寧に進めていただきたいという事だ。


『ヨガ・猫のポーズ』

という訳でお待たせしました。腰と背骨を満遍なく伸ばす事の出来るヨガの猫のポーズをご紹介するとしよう。

非常にポピュラーなポーズではあるので、ヨガをやっていない方でも一度は目にした事のあるポーズではなかろうか? ヨガの門外漢ではある俺だけど、背骨と骨盤、そして肋骨と肩甲骨のストレッチに、また呼吸筋(呼吸に関わる深層筋群)の調整用として若い頃から愛用させていただいているものだ。

さてさて
お気付きの事と思うが

今回も新しいトピックが登場したよ!
肋骨と肩甲骨、そして呼吸だね!!

肋骨と肩胛骨は『背骨の伸長』を実現させるためには骨盤の次に大切な場所であると認識しておいていただきたい。骨盤から生まれ、上に向って垂直に背骨を昇る波動状の(うねりの)運動がスムーズに頭部まで伝わるには、途中にある肋骨もその運動に合わせて柔らかく波打たなければいけないわけで、肋骨が鳥籠のように硬いままではそこで運動がストップしてしまうからだ。また、肋骨を柔らかく動かせる前提条件として肩甲骨もゆるゆるに緩んでいる必要があるわけで、要するに肩胛骨が柔らかく振る舞えるという事は『肩甲骨と肋骨の間の筋肉』が柔らかく緩んでいるという事なので、言ってみれば『肋骨と肩甲骨』は『骨盤と股関節』の様な一対の関係にあるとご理解いただきたいのだ。

またこのポーズは呼吸を司る筋肉群も十全に活性化してくれるので、非常にやり甲斐のある呼吸トレーニングでもあるわけで、呼吸といえば、昔はよく「腹筋を鍛えろ!」とか言われたものだけれど、今の常識では、呼吸はそんな単純なものではなく(もちろん腹筋も必要だけれど)、先ずは横隔膜、そして腹腔を構成する腹横膜と多裂筋(背骨を支える)、それらの収縮から生まれる圧力を下で支える骨盤底筋等々・・・後は現代のスポーツシーンで盛んに言われ始めている大腰筋(主に大腿骨を振り上げるための筋肉)なんかも、強力な腹圧を生み出す支えとしては非常に重要な働きをしていると感じるわけで、色々聞きなれない筋肉の名前を出してしまったけれど(それは今後のCGによる解説に譲るとして)、要するに呼吸には今流行りの『インナーマッスル』が深く関わっているというわけで、そんな難しい知識を知らなくっても、この猫のポーズを無心にこなしていれば自然とそれらが強化されるという好都合極まりない仕組みになっているというわけだ(笑)

以上の理由から、今後ご紹介する呼吸の鍛錬に向けて、『最初から腰が立っている人達』にもこの猫のポーズはやり込んでおいていただきたいと思う。腰が立っていたとしても(理想的な姿勢だったとしても)腹の中の筋肉が十全に柔らかいとは限らないので。呼吸に関与する深層筋群は(まあ筋肉全般に言える事だけれど)柔らかければ柔らかいほど高機能のパフォーマンスを発揮できるものだから( "柔らかい" のと "たるんでいる" 事とは違うからね。念のため)

いつものように前置きが長くなったので
この辺でやり方のご説明をば(汗)




やり方

・基本ポーズは、両手は肩幅、両膝は腰の幅に広げて四つん這いとなる
 (両手は肩の真下、両膝は骨盤の真下辺りに置く)

・基本ポーズのまま準備の一息を吸う(吸息)

・背中を丸め、お腹を引っ込めながら息を吐いていく(呼息)
 (頭は両腕に間に入れていく)

・息を吐き切ったら、今度はゆっくりと息を吸いながら背中を反らしていく(吸息)
 (目線は斜め上を向く)

・『丸める〜反る』を1セットとし、3〜5セットほど繰り返す

・反った状態から、調整の一息を吐きながら基本ポーズに戻る(呼息)

・基本ポーズに戻ったら、そのままの状態で2〜3回深呼吸をする(調息)

・息を『吸うときは鼻から』、『吐くときは口から

・呼吸と動作はできるだけ一致するよう意識する
(呼吸と動作のスピードを一定にし、吸い終わったら、または吐き終わったら動作が終了するように)

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両手は肩幅に、両膝は腰の幅に

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両手は肩の真下、両膝は骨盤の真下辺りに

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背中を丸める時はお腹を見る様に

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背中を反る時は天井を見る様に

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終了の基本ポーズで呼吸を整える(調息)


『呼吸の狭間を大切に』

ここで呼吸に関する注意点を一つ。

それは、『呼吸の狭間(吸息と呼息の間、もしくは呼息と吸息の間)』、動画で示したタイミングでいえば時間にしてわずかに1秒くらいの間は、きちんと息を止めておいて欲しいという事。『止める』という言葉を使っては、ちょっと能動的に過ぎるかもしれないので、ここでは「きちんと止まってるよね?」と確認するくらいの意識で丁度良いかと思う。

東洋の呼吸法では『息を止める事』を非常に重要視する。今風に言えば、丁度、アイソメトリックス効果を狙っていると理解していただければこの段階では十分だと思うけれど、猛烈ないきみを伴って息を止めるやり方から、逆にいきむ事はせず、静かに長い時間(1分とか2分)息を止めるやり方まで色々あるけれど(※)とにかくこれらの方法は呼吸に携わる筋肉群を飛躍的に強化(呼吸力を上げる)するには持って来いの方法ではあるのだ。
(※)喉を締めて「カー!」とか「コー!」とかいう音を出すのもこの範疇に入ると考える。要するに出口を閉じて内側の圧力(腹圧)を逃さないようにしているのだ。

しかし、効果が高いという事は負荷が高いという事でもあるわけで、極端に強い止息(しそく)は真っ先に、内臓、特に心臓に負担を強いる事になり、また高い腹圧は脳圧をも高めるわけで、脅かすわけではないけれど寿命を縮める事にもなりかねない危険性をはらんでいる。また声を出す事を専門とされている方達(歌い手・俳優)にとっては、『息を強く吐こうとすると喉を締めてしまう』という悪い癖にも繋がる恐れがあるので(息を止める鍛錬の三倍の発声練習をこなせば克服できるけれど)常に危険と隣り合わせのトレーニングである事をしっかりと頭に入れておいていただきたいと思う。

以上の理由から、この連載において『強い止息の鍛錬』をご紹介するか否かはまだ検討中ではあるけれど、これらの危険性を差し引いても、息を止めるという事は非常にやりがいのあるトレーニングでもあり身体運動の上達の鍵を握るものでもあるのだ。

(ここからは中・上級者向けのコメントとなる事をご了承いただきたい)

よく『呼吸と動作を合わせる』というけれど、ほとんどの方達は『予備動作(例えば拳を引いてパンチの準備をする時)で息を吸って、本動作(この場合はパンチを出す!)で息を吐く』という理解をされている事とは思うけれど(戦術としてあえて逆をやる場合もあり)、俺は、その本質は息を止めている時、要するに『呼吸の狭間』にあると感じていて、先の例えでいえば、拳を引いて いざパンチを打ち出そうとする切り替えのタイミングは、丁度、呼吸が吸うから吐くに転じる間(ま)でもあり、極々注意深く身体の内側を感じるならば、呼吸に関わる深層筋群が吸うから吐くに転じようとする、正にその(呼吸の)動きが(※)、背骨を中心とする全身の骨格を通して手足に伝わり "表向きのパンチ" という動作を生み出している事に気付く事が出来るはずだ。
(※)表向きの息が止まっていても呼吸筋は次の呼吸に向けて動き続けているという事。俺は『静中の動』とはこの事を指していると考えている。

但し、上記の在り方が成立する為には、十二分に身体が練れ、『内側の深層筋群と、手足や腹筋・背筋等の外側の筋肉群が連動して使えるようになった者』のみにいえる事だけれども(太極拳では『内外一致』という)、逆にいうと、その様な状態(内外一致)にシフトするためには、この『呼吸の狭間』の深層筋群の動きを感覚として捉え、それを外側とリンクさせるという身体的・意識的トレーニングが不可欠であると断言しておきたい(これ、試験に出るからね!賭けてもいい!はらたいらに3000点!!

まあ、上記の様な深い状態にこの連載がどこまで迫れるのかは疑問だけれど、この連載の主眼でもある『背骨の伸長』においても呼吸は非常に需要なポジションを占めるものなので、後々時間を割いてじっくりとご説明する予定ではあるけれど、先ずは、初心の方々にも上級の方々にも、このヨガの猫のポーズでしっかりと呼吸に慣れておいていただきたいと思う。


予定していた股関節に関する説明は次回以降させていただきます。
悪しからず。


・・・続く


by genshu-juku | 2018-05-20 12:20 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(4)

垂直に伸びる背骨_17

骨盤と背骨のストレッチ_④ ダンス・ストレチ

さて、今回から数回に渡り、少し専門的な、という事は少しキツめのストレッチをご紹介して行こうと思う。というのも、武術や舞踊等の良質の型を何も考えずに何十年もやり続けて行けば、確かに目指すゴールには辿り着けるのかもしれないけれど、何事においても効率化が進み、スピーディーになって来ているこの現代に於いて、そんなノンビリした事を言ってたら大変勿体無いと感じるわけで、昔なら「ゴールに辿り着ければ本望」と考えられてたんだろうけれど、今の俺なら「ゴールに辿り着いてからが人生の本番じゃね?」って思うので、時間を掛ける事の大切さは誰よりも知ってるつもりではあるけれど、ここでは敢えて効率的な方法を開示して、多くの方々に、早く、この境地を味わっていただければと願う所存ではある。

但し、効果が高いという事はそれだけ身体に掛かる負担も大きくなるわけで、今後ご紹介するストレッチに関しては、プロのダンサーのような柔らかさまでは必要としないけれど、やっぱり、日頃からストレッチを日課にされている方達にのみお試しいただきたいと思うのだ。もし、そうでないという方がいらっしゃったならば、先ずは一般的なもので構わないので、しばらくの間(2〜3ヶ月は)それらで十分身体を慣らしてから、少しずつここにご紹介する方法を取り入れて行っていただければと思う(「早く」と言っときながら申し訳ない!)


ではでは、前置きが長くなったので
これまでの おさらい をば・・・(笑)

気を持たせるな!とお怒りになるなかれ、今回ご紹介するストレッチに直接関係する事なので、今一度、頭を整理していただきたいと思う。

といわけで、この長い長い連載を通して伝えたい事・・・さっきから話してるゴールとは、『背骨が、柔らかく、垂直方向に伸び縮みする状態』の事を指すわけで、俺的には、この背骨を総動員する運動が適度に脊髄神経を刺激し、引いては脳の健康に寄与すると考えているわけで、また、武道や舞踊等の身体文化を実践されている方々にとっては、身体の "芯" から伸びる "軸" の形成に、この運動がどれほど効果的に作用するかはご自分の事として容易にご理解いただける事と思う。

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この連載のテーマ『背骨の伸長


それでは、張り切っておさらいをしよう!

先ず最初に、この背骨の在り方に到達するまでの第一段階として、『腰と胸と頭が一直線上に乗る "ポジショニング" 』が必要になってくるんだったよね(下の写真参照)

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いわゆる『軸が利いている』状態


次に、このポジショニングを成立させる為には『腰(骨盤)を縦方向に回転させ、その回転を胸と頭に伝えて姿勢を真っ直ぐに立てる』という作業が必要だったはず(具体的な動作は下のGIF画像を参考にされたし)

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反る腰(腰が反り気味)』の人はこんな感じ


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丸まる腰(丸まり気味)』の人は上とは逆の動作になる


ここで大切な事は、前後方向の胸の位置(ポジション)は動かさないという事(若干上には上がる)。そして、単に胸を反っているわけではないという事を十分に理解する事で、あくまで『腰の上に胸を、胸の上に頭を、丁寧に乗せていく』という感覚を目指そうという話だった。

また『胸の位置を動かさない』という事は、慣れない人達にとっては意外と難しい事とは思われるので、以前ご紹介した 感覚養成法 を参考に理解を深めておいていただきたいと思う。


ダンス・ストレッチ

というわけで、ようやく本題!!
前置き長かったなぁ〜〜(笑)

今回ご紹介するのは、俺が30年前にアクション俳優の養成所でダンスの先生に教えていただいたストレッチ!! ここでは、あえてダンス・ストレッチ なんて呼ばせてもらうけれど、このストレッチが初めてという方向けに、また、狙う効果を『背骨の伸長』に特化させるために少々簡略化をさせていただいています・・悪しからず (^^;)




一見してお分かりの通り、開脚をしながら、骨盤を支点として背骨を真っ直ぐに立てている(軸は斜めになっているけれど)。言い方を変えれば、先にご紹介した、ここで言うところの『腰と胸と頭が一直線上に乗る "ポジショニング" 』を開脚をしたまま行っているという事なんだよね。

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開脚のまま背骨を真っ直ぐに立てる(軸は斜めで良い)


このストレッチの効能は計り知れなく、正直、これ抜きで自分は『背骨の伸長』を獲得出来ただろうか?と思うくらいのもので、何が良いのかと言うと、先ず動作そのものが『背骨の伸長』の基礎段階そのものだという事。次に、ここが一番大切なところなんだけど、腰と背骨、そして股関節の連携を正しい形で身に着ける事が出来るという事なのだ。詳しくは後述するけれど、『腰と背骨と股関節の連携』、言い方を変えると『腰と背骨と股関節が "一つのものとして機能する"(させる)事』が、背骨の伸長に於いては最も肝心なところだからだ。まあ、見た目通り、股関節のストレッチではあるのだけれど、目的はそこだけに留まらないと言う事だよね。

やり方は

・ご自分の股関節の許容範囲で開脚をし
 背中を丸めた状態で深く息を吸う

・息を細く吐きながら、ゆっくりと背骨を起こしていく
(その動きの起点は骨盤の回転から)

・背骨が真っ直ぐになった状態で一息吸い

・息を吐きながら、ゆっくりと元に戻す

・以上を3〜5回ほど繰り返す


注意点としては、なるべく力を抜きながら、丁寧に行うという事。

単純に "柔らかくする" 為だけの運動ではなく、腰と背骨と股関節の『神経回路の構築』を目的としているので、誰かに力づくで押してもらう等の外圧を掛ける事だけは厳に謹んでいただきたい取り返しのつかない故障を引き起こすおそれがあるので。

また、慣れないうちは、「自分がどれだけ真直ぐになっているか判断が付かない」と思うので、鏡を使うとか誰かに見てもらうとかしながら、自分の感じている感覚と実際の身体の在り方を上手に擦り合わせて行っていただきたい

特に最初のうちは、背骨を真っ直ぐにする為には「自分なりにかなり反らなくてはいけない」と感じるものなので、焦りは禁物で、これはストレッチでありながら筋力トレーニングでもあるのだから、柔軟性と筋力の増加に伴い、少しずつ、楽に出来るようになって行くはずなので、決して無理をなさらずに気長に取り組んで行っていただきたい。また、開脚の度合いも、すでに柔らかい人なら180度近く開けるかもしれないけれど、そうでない人も、気にする事なく、ご自分の開ける範囲で行っていただきたい。大切なのは、繰り返しになるけれど、腰と背骨と股関節を『三位一体』で動かせるようになる(動かそうと努力し続ける)事なので。

尚、柔軟性と筋力がアップしてくると、下の写真の様に "真っ直ぐを通り越して反る事も出来る様になる" とは思うけれど、これは腰と背骨に強い負荷が加わるのでお勧めしません。てか、危ないのでやらないように!

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グキッといっちゃうよ!!


続いて

『両足裏を合わせるバージョン』

やり方や注意点はほぼ前述した『開脚バージョン』に準ずるのだけれど、足裏を揃えている分、股関節に生じるテンションを(足先の回転等で)逃しにくく、という事は『開脚バージョン』よりもより股関節に効く構造となっている。同時に、骨盤も『開脚バージョン』に比べてやや動かし難くなってくるので更なる慎重さを持ってトレーニングに臨んでいただきたい




やり方

・両足裏を合わせた状態で背中を丸め、深く息を吸う

・息を細く吐きながら、ゆっくりと背骨を起こしていく
(その動きの起点は骨盤の回転から)

・背骨が真っ直ぐになった状態で一息吸い

・息を吐きながら、ゆっくりと元に戻す

・以上を3〜5回ほど繰り返す

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背骨を真直ぐに立てるのは『開脚バージョン』と同じ


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反りすぎたら危険なのも同じだよ!!


『開脚バージョン』にも言える事だけれど、背骨を真っ直ぐに立てる事にあまりこだわらないように。しつこいようだけど、このような窮屈な状態で「骨盤・背骨・股関節をコントロールしよう!」と努める事が大切なのであって、例え、見た目で背骨が曲がったままであったとしても、少しでも骨盤や背骨や股関節が動かせるようになったとしたならば十分に成果が上がったという事なのだから

それに、俺だって、ぶっちゃけダンサーさんみたいに柔らかくはないんだもの!脚なんて全然上がらないし(笑)なので、外側の柔らかさと内側の筋肉の柔らかさ、もっと言えば内側をコントロールする神経回路の構築の度合いなんかは一対一で対応はしていないという事なんだよね。なので、「脚がそんなに開かない」とか「背骨を真っ直ぐに出来ない」からといっても直ぐに諦める事の無きよう、丁寧に、根気強くトレーニングを続けて行っていただきたいと願う。


最後に、両バージョンのストレッチに共通する注意点だけれど、股関節の意識はあくまで受け身専門であって、「あー今、内側に捻転してるなぁ・・」とか感じるだけで構わないという事だ。再三「腰と背骨と股関節を『三位一体』で動かす」とは言ってきたものの、『股関節の動き』とは、腰と背骨との関係性の中で、自然に、必然的に決まってくるものであって、意識と動きの中心はあくまで腰=骨盤である事に変わりはないので。


『股関節について』

股関節は骨盤の "寛骨臼(かんこつきゅう)" というくぼみに太腿の骨の "大腿骨頭(だいたいこっとう)" がスッポリはまっている構造をしている(下の写真参照)

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俺の子供の頃からのバイブル『学研まんが・からだのひみつ』のヒトちゃんが、「丁度、ペンさしのようだ」と上手い例えをしているけれど、一般の方達の股関節に対する認識も同じ様なものだと考える。

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↑ ヒトちゃん大好き!


動きのイメージを具現化すると、下のGIF画像の様になるだろう。

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股関節の動きの一般的認識


でね、敢えてショッキングな言い方をさせてもらうなら、股関節にも僅かだけれど隙間(あそび)があって、その範囲内において割と自由に振る舞える(動かせる)ものなのですよ(と言ってもその動きは、前述した通り、『骨盤と背骨との関係性に於いて自ずと定まる』ものだけれど)

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誇張してるからね♡


上のGIF画像では寛骨臼の中で大腿骨頭がグリグリ回っているけれど、それは、いつもの通り誇張してはいるんだけれど、身体がこなれた人達の股関節はこれに近い形でズレ動き続けているんだ。

何故それが必要なのかというと、身体がこなれた人達の骨盤は(この連載でいつも言ってるように)左右に分離して使えるようになっていて、例えばこの連載のゴール『背骨の伸長』に於いては下のGIF画像のように左右に開く動きをしているわけで、そのような場合に、股関節がピッタリとくっ付いていてペンさし様の動きしか出来ないとしたら、その動き(骨盤の変化)がダイレクトに大腿骨に伝わってしまい、両脚でバランスを取るのさえ難しくなってしまうからだ。

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っていうか、股関節がガッチリ固まってしまっていては、そもそも骨盤の分離は起こり得ないのだ。何故なら、骨盤が(その他の骨にも言える事だけれど)変形出来るという事は、身体のどこかにその『変形から生まれる力』を吸収をし、逃してあげられるスペース(あそび)が存在するだからだ。

というわけで、股関節が僅かにズレ動く事によって骨盤の変形から生まれる力を吸収し、この場合(股関節)は特に、大腿骨を通して下肢にその力を伝達し、バランスを保ち、もしくは脚による運動(移動や蹴り等)を引き起こす切っ掛けになってくれるというわけなのだ。


いかがであったろうか?

ご覧いただいた通り、今回ご紹介したダンス・ストレッチは、骨盤の回転のさせ方から背骨の立て方、股関節の在り方までを引っくるめてトレーニング出来る大変優れた方法なわけで、是非ご自身のルーティンワークに取り入れていただきたいものだと思う。但し女性の方達の中には、先天的に股関節が変形されている方や、筋力不足から股関節の靭帯が緩んでいる方もおられると伺っているので、痛みや不調が少しでもある場合は決して無理をなさらずに注意深く取り組んでいただければと思う。


次回、もう少し股関節について解説させていただきますので。


・・・続く

by genshu-juku | 2018-03-24 22:36 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(4)

垂直に伸びる背骨_16

骨盤と背骨のストレチ_③ バランスボール・ストレッチ

操体法の次にご紹介するのがバランスボールを使ってのストレッチ。

特に難しい事もなく、一般的にも知られている事だけれど、これまでお付き合いいただいてる読者の皆さんにはもうお気付きの事と思われるが、『骨盤と背骨がズレ動く』というイメージを併用すればさらにその効果が期待されるというわけだ。

また敢えてその利点を説明させてもらうならば、当たり前だけど『座って行える』という事で(笑)、立つという行為を意識的に訓練している人(舞踏家、武術家 等々)以外の人達は概して外側の筋肉を緊張させている場合が多く(←外側の筋肉に頼っている)、その緊張を取り除かない限りは骨盤の内側の深層筋肉たちは目覚めてくれない(使えるようにならない)わけで・・・でも立って練習しようとすればたちまち外側の筋肉が緊張してしまう・・・というジレンマを一気に解消できるという事だ。

しかもバランスボールなら、後述する "椅子に座った状態" よりも骨盤の移動距離が大きく、よりストレッチ効果が増すという利点もあり、さらに特筆すべきなのは、ボールが転がるのに合わせて骨盤を移動させる感覚が『立った状態で骨盤をズレ動かす』時の感覚に非常に近しいと言う事だ(そのままではないけれど)言葉にすれば『ずるん、ぬるん』といった達人のみが持つ独特の感覚を十二分に楽しんでいただければと思う(笑)

ここでは『前後』・『左右』の二種類のストレッチのみをご紹介しているが、俺はこの他にも前後左右に骨盤をぐるぐる回す『骨盤回し』も好んで行っているので、このページを参考に、各自、お好みのストレッチを工夫されたし。


それでは先ず、操体法でもご紹介した "側屈" から。

骨盤を、ゆっくりと丁寧に、左右に移動させ、それに促される形で(連動して)上体が左右に屈曲するのを感じる(動画参照)


動き出しや動いている最中は『ザックリと骨盤辺り』を意識し、『終末の形=上体を倒し切った状態』で身体の各パーツの重心やテンションを感じる(観じる)のは操体法に同じ。

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筆者は骨盤と背骨をこの様に感じて(観じて)いる
(骨盤と背骨が互いにズレ合っている)


また、バランスボールをお持ちでないという方は、『柔らかめのクッションを置いた椅子』でもある程度の効果は期待できると思うので、是非そちらをお試しいただきたいと思う(「お前のせいでバランスボール買う羽目になったから金寄越せ!」などとは決して言わない様に♡)


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骨盤が動く範囲はボールより狭くなるので その分丁寧に



続いては一般で言うところの『前屈』・『後屈』

決して焦らず、ゆっくりと丁寧に、先ずは骨盤を前後に動かすこ事に意識を集中されたし。それに連なって(あくまで感覚の上で)勝手に上体が、前屈をし、後屈をするのを楽しんでいただきたい。


側屈と同じく、動き出しや動いている最中は『ザックリと骨盤辺り』を意識し、『終末の形=上体が丸まった状態・反った状態』で身体の各パーツの重心やテンションを感じる(観じる)。


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筆者は背骨をこの様に感じて(観じて)いる
(背骨同士が互いにズレ合っている)


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椅子でも応用できるのは上記に同じ


最後に今後の発展について

先にも書いた通り、立つという事を意識的にトレーニングしていない人達は外側の筋肉に頼っている場合が多く、折角バランスボール(若しくは椅子)で得た内側の感覚も立った途端に見失ってしまいがちとなる。そうならない為には日頃から力を抜いて楽に立つという事を意識し、"立つトレーニング" を続けなければならないし(←いずれ ここでもご紹介したい)、そこからご自分が取り組まれる運動(スポーツ、武術、ダンス、音楽?)に応用する為には、その運動で要求される構え(ポーズ)でも力を抜いて立てる様、感覚を丁寧に移行させていかなければならない

取り敢えず、ここでは "操体法" とリンクさせ、バランスボールで得た感覚(意識)を操体法に応用し、さらに操体法で得られた感覚(意識)をバランスボールに適応させるという "上達の正のスパイラル" を構築していっていただきたい。この単純な二つの運動(操体法とバランスボール)をリンクさせる方法論(←自分仕様で導き出した)こそが、いずれ、意識に於いても具体的動作に於いても、ご自分の専門分野に対する "強力な応用力" となってくれるはずなので。


・・・続く

by genshu-juku | 2018-02-05 16:03 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(2)

垂直に伸びる背骨_15

骨盤と背骨のストレチ_② 操体法〜基本動作

さてさて、いよいよストレッチ編の中核とも言える『操体法』をご紹介することとしよう。

操体法(そうたいほう)は、仙台の医師 橋本敬三(1897-1993)が高橋迪雄(みちお)の正體術など民間の健康法・療術をみずから実践し、肉体の変化が進む過程で何が起きているかをつかんだ結果生まれた健康法、若しくは診断・医療体系の事で(以上 Wikipedia より引用)、ここからはあくまで俺の主観ではあるけれど骨格の歪みの解消、引いては内臓系の疲労の回復にも絶大な効果を発揮するものだ。

特に骨格の歪みへの改善効果は目を見張るものがあり、基本的な重心の位置や動作の注意点さえ守れば、身体に関する難しい知識を持たない方達でさえ、驚くほど簡単にコリや痛みを解消する事が出来るのだ。

俺も、幸いな事に、20代前半にこの方法を紹介する書籍と出会い(『操体法の実際(健康双書)』今は絶版?)、独学ではあるけれどコツコツと30年近く実践してきたお陰で、アクション俳優時代に散々歪めた骨格を、ほとんど自分の力だけで矯正する事が出来たのだ。

また、身体表現の実践家としては、歪みを正すための意識の持ち方というものは、そのまま身体の深部を動かす意識を養う事にも繋がるわけで、歪みを治しつつ身体の動きをも改善させるという "一粒で二度美味しい"(←知らない人はお父さんに聞いてね♡)効能も得る事が出来たのだ。

そんな素晴らしい操体法の、ほんの触り、基本中の基本となるたった二つの動作をここではご紹介したいと思う。

と言っても、この二つの運動は俺の大のお気に入りで、毎日どころか、ちょっと身体が硬くなったと思った時にはすかさず、数えたら一日に10回以上は行っている効果抜群のものなので、皆さんも是非ご自分のルーティンワークに加えていただければと思う。


先ず一つ目は、一般で言うところの "側屈"

一般の側屈と異なる点は
重心を上体を傾ける側の反対に移動させるという事(動画参照)


これによって、骨盤(仙腸関節)へ縦方向へのテンションを加える事ができ、骨盤の縦方向への歪みの改善、引いては縦方向に骨盤をズレ動かす意識さえも養成する事が出来るのだ(下線部 筆者の主観)
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筆者は身体の中をこう感じて(観じて)いる

やり方

・基本姿勢で、お腹に楽に息を吸い込み

・息を吐きながらゆっくりと上体を傾けていく
 (その時、傾ける側の手は腰に当て、反対側の手は上に挙げる)

重心は上体を傾ける側の反対に移動させる

・傾け切った状態で一息吸い
 (その時、身体の状態、快・不快 等を観察する)

・息を吐きながらゆっくりと上体を元に戻す

・以上を、片側 3〜5回ほど繰り返す
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こうして両側を行なってみると、大抵の人は骨格が歪んでいるので、やり易い方とやり難い方気持ちの良い方と気持ちの良くない方が存在する事に気付かされると思う。そういう時は・・ていうかできれば毎回、『やり易い方を2〜3回多くやって』仕上げにしてもらいたいのだ。

これがね、操体法の真骨頂というか、妙味というか・・・普通の健康法や体操なら やり難い方を多くやろうとするものじゃない?ってか、人情だよね?! でもね、操体法は違うんだよね。やり易い方を多くやってあげる!で、実際やってみると、その方がコリや痛みがストンと楽になってくれるのが判るんだ!!

この発想は素直に凄いと思う。どういう理屈でこの方が効果があるのか、長年実践してきた体感として「こういうことかな〜?」って感じる部分はあるけど、門外漢の俺が今ここでそれを述べる資格はないと思うので、あえて割愛させていただきます。とにかく実践してみて、その効果、気持ち良さを体感してみてください。是非!!

最後に、"普通の側屈" の画像も紹介しておくので、操体法との違いをしっかり意識して正しいフォームで行えるようにしていただきたい。

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通常の側屈


続いて、一般的に言われるところの "捻り・捻転"

一般の捻りと異なる点は
重心を振り向く側に移動させるという事(動画参照)



これによって、骨盤(仙腸関節)へ前後方向へのテンションを加える事ができ、骨盤の前後方向への歪みの改善、引いては前後方向に骨盤をズレ動かす意識も養成する事が出来る(下線部 筆者の主観)
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筆者は身体の中をこう感じて(観じて)いる

やり方

・基本姿勢で、お腹に楽に息を吸い込み

・息を吐きながらゆっくりと後ろに振り向く
 (その時、両腕は肩の高さに挙げる)

重心は振り向く側に移動させる

・振り向いた状態で一息吸い
 (その時、身体の状態、快・不快 等を観察する)

・息を吐きながらゆっくりと元に戻す

・以上を、片側 3〜5回ほど繰り返す

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やり易い方を2〜3回多くやって』仕上げにするのは側屈に同じ。

あと、注意点として『視線を差し出した手の方向に向ける』ことも重要。これは "背骨と視線(頭骨の向き)" に関する武術や舞踊の極意でもあるので、普段の動きから意識するよう心がけておいていただきたい。(下線部は筆者の考え)

"普通の捻り" の画像を参考に、正しい重心で行えるようにしてください。
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最後に全体としての注意点は、毎度の事で恐縮だれど、やはり『ゆっくり・柔らかく・丁寧に』行うということ。

特に今回ご紹介した二つの基本動作は、見た目はとても単純に見えるかもしれないけど、武術の "奥殿の型" に匹敵する程の深い内容を有しているので、丁寧に味わえば味わう程、その妙味が解ってくるし、内側を観る目も養われてくる。身体を使う者として、この内側を観る(感じる)力というものは(これを『内観』という)、上達を目指すは上で必須の能力なので、この操体法という "良質の型" を通してじっくりと確実に身につけておいていただきたいと思う。


追記 (2018.02.05)
上記の二つのストレッチにおいて意識する身体の場所は『ザックリと骨盤辺り』に置いて行うようにしてください。僕の説明が細か過ぎるため(汗)ついつい「仙骨を意識しなきゃ!」とか思われるかもしれませんが、一つの場所にあまり意識を集中し過ぎるのは、初心の内は却って上達を遅らせる元となってしまいます。どういう事かと言いますと、今回のストレッチに関して言えば、側屈では上体を倒しきった時の『形』捻転では捻り切った時の『形』こそが肝(きも)であって、そこに於いて身体の重心が正しい位置に乗ってさえいれば、『身体中に散らばるそれぞれのパーツの持つ重心が自ずと仙腸関節に集約されるように出来ている』からで、最も大切なのは『その変化を素直に感じて受け止めようとする姿勢(意識)』だからです。

また、解説用の骨のGIF画像では明らかに仙腸関節や骨盤から始動しているのが見て取れますが、これもあまり意識し過ぎる事なく、『ザックリと骨盤辺りから動こう』と意識してもらうのが妥当かと思います。「動き出しや動きの途中の意識はどうでも良い」と言えば語弊がありますが、全身をリラックスさせて "終末の形" に向かう事こそが肝要であって経過に囚われ過ぎるのはここではあまりお勧めできるものではありません。繰り返しになりますが、終末の形にしっかりとハマり、その状態に於いて、身体の各パーツから返ってくる情報(重心やテンションのかかり具合等々)を、素直に、先入観なしに脳に取り込むという、俗に言う『身体に聞く』という在り方こそがここで最も要求されるものだからです。

こうして "身体に聞く" という作業を繰り返すうちに、そこから得た情報が自分のもの(意識)となり、逆にこちら側(脳)から情報を発信して各パーツをコントロール出来るようになるという、これこそが『上達の正のスパイラル』というわけなのです。

どうかこの事を十分に理解した上で、敢えて適当に(笑)、でも注意深く(ここが難しい!)鍛錬を続けて欲しいと思います ( ´∀`)

(追記終わり)


というわけで "ストレッチ編" もう少し続きます。

次回のアップまで
この操体法をしっかりと練習しておいてくださいね〜 ( ´ ▽ ` )


・・・続く



by genshu-juku | 2017-10-19 15:59 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(10)

垂直に伸びる背骨_14

骨盤と背骨のストレッチ_①

骨盤のポジショニングの感覚が身に付いてきたら いよいよ呼吸法へ・・・と行きたいところではあるけれど、ここはもうちょっと我慢していただいて、骨盤(特に内側)と背骨をさらに柔らかくするためのストレッチをご紹介したいと思う。

とは言っても、ここでご紹介するものは極々簡単なもので、難しいポーズや身体を支えるための特別な筋力を必要とするものではないのでご安心を( ´∀`)

それでも自分が気に入って30年もやり続けてきたものばかりなので、必ずや皆さんの上達に貢献できるものと信じている。

でね、もったいぶって大変申し訳ないんだけど(笑)それらをご紹介する前に、皆さんに是非頭に入れておいていただきたい意識=イメージがあるんだ。

それはね、一言でいうと
背骨と骨盤(仙骨と腸骨)は互いにズレ動く』という意識。

そう、プロのアニメーション・ダンサーやパントマイマーさん達を見ていると、およそ人間とは思えない動きをするけれど、あれは、この背骨と骨盤のズレ動きを絶妙に使っているからなんだよね。もちろん、あんな風に動けたら最高だけど(俺だってあそこまでは動かせないんだけど)、どんな運動種目だって、達人と呼ばれる人達は必ずと言っても良いほど、この背骨と骨盤のズレ動きを使っているんだよ。

もちろん、その種目に見合った動きに馴染ませてね。だって、例えば太極拳の人がアニメーション・ダンスみたいにカクカク動いたら可笑しいじゃない(笑)? でも、太極拳は太極拳なりのスピードとリズムで背骨と骨盤をズラし合ってるってわけなんだよね。

なので、『背骨と骨盤(仙骨と腸骨)は互いにズレ動く』という発想はとても普遍的なものであって、超絶のダンスパフォーマンスを目指すわけではない俺達にも非常に有用な考え方であると知っておいていただきたいのだ。

もちろん、この長い長いシリーズを通して向かっている・・・
背骨が垂直方向に伸び縮みするという最終目標にとっても、ね ♡
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垂直に伸び縮みする背骨(これが最終目標ね)

何故なら、背骨を垂直に伸び縮みさせるためには背骨周りの微細な筋肉群はもちろんのこと、背骨と背骨を繋ぐ椎間板、骨盤周りの筋肉、骨盤の内側の筋肉群、仙骨と腸骨を繋ぐ靭帯(仙腸関節)等々・・・この運動に関わる全ての筋肉・靭帯等が十全に柔らかくなくてはいけないからで、普段のストレッチからこの意識(背骨と骨盤は互いにズレ動く)で取り組んでもらえたなら、より効果的に、より効率的に目的を達せられると信じるからなんだ。


さて、前置きはこのぐらいにして本題に入ろとしよう・・
ここでは大きく分けて三つのイメージをご紹介したいと思う。

先ず一つ目は

背骨が横方向にズレるイメージ】


一見してお分かりの様に、ダンスやパントマイム等によく見られる動きで、武術的には相手の攻撃をかわす時なんかによく使われる。背骨をずらせない人は一回ステップをして避けなくてはならない相手の技を、表向きにはなんのステップも使わず、ただヅカヅカ歩きながらひょいとかわしつつ、同時に自分の反撃を繰り出すという、武術的に言う "一拍子" のタイミングを可能にする背骨と骨盤の在り方。

その動きの起点(動き出し)は下のGIF画像に示した通り、腸骨が上下方向にずれ、それが真ん中の仙骨を斜めに傾かせ、そこから生まれる運動エネルギーが 丁度 "南京玉すだれ" のごとく(笑)背骨をずらしながら上方に伝わっていくという構図だ。
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起点は "腸骨の上下方向のズレ"


二つ目は

背骨が前後方向にズレるイメージ】


ちょっと分かり難いかもしれないけど、要するに『腰を丸める』・『腰を反る』という前後方向への骨盤の動きが背骨に与える運動を、普通の場合(洗濯機の排水ホースみたく蛇腹様の動き)と背骨がずれる場合(南京玉すだれ様の動き)とで比較しているんだけど、上の動画だけだと何故こういう違いが生まれるのかが描ききれていない(汗)

これを理解するには仙骨と腸骨の関係の違いを明らかにすることが必要で、下のGIF画像の様に仙骨と腸骨がくっついて一緒に動く状態、俺は『骨盤一体』と呼んでいるけれど、ここから生まれるのが普通の背骨の動き・・・
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仙骨と腸骨が一緒に動く

そして次のGIF画像の様に、仙骨と腸骨が分離していて、同じ方向(この場合は腰が丸まる方向)に動いてはいるんだけれど、仙骨と腸骨の動きの幅とタイミングがずれている状態。これを俺は『骨盤分離』と呼んでいるんだけれど、この双方のズレが背骨の前後方向へのズレ動きを生み出すのだとご理解いただきたい。
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仙骨と腸骨の動きの幅・タイミングがずれる(方向は同じ)

先の "普通の背骨とズレる背骨の比較動画" を見ていると、『腰を丸める』と『腰を反る』の単発でしか描かれていないので、それらの違いは何となく分かったとしても、何のためにやってるのかが全然イメージできないかもしれないけれど、例えばダンス等では、『腰を丸める』と『反る』をリズミカルに反復させて(もちろん骨盤分離で)身体が前後方向に波打つ運動を生み出したりもする。

また武術的に言えば、腰を丸めながら(ということは猫背になりながら)相手の懐に飛び込んで打ち込む突き等があるが、背骨が前方向に崩れ落ちる運動エネルギーを拳や掌に乗せるため、非常に強力な威力を発揮することとなる。


最後のイメージは

背骨が時間差で捻り上がるイメージ】


これは日本舞踊の首を振る動作等に見受けられる背骨の操作。着物を着ている上、その動きはほんの僅かにも関わらず、得も言われぬ "たおやかさ" を生み出す秘訣はこの背骨の使い方にあると観じている(間違ってたらごめんなさい!)武術的には自分の横に位置する相手への攻撃、その場合には主に裏拳や手刀〜前腕等が用いられるけれど、その際にこの背骨のズレを使えれば、丁度漫才のツッコミ程の小さな動きでも驚くほどの威力を発揮する事が出来るのだ。

この動きの起点は腸骨の前後方向へのズレ。このズレが真ん中に位置する仙骨を水平方向に回転させ(捻り)、その運動エネルギーが背骨を一個一個順番に回転させるながら上に伝わっていくという寸法だ。
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起点は "腸骨の前後方向のズレ"


いかがだろうか?

「こんな風に骨盤や背骨がバラバラに動くなんてとても信じられない!」と感じる方もおられるだろう。一つ断っておきたいのは、ここで提示したイメージはそれぞれが非常に誇張されているという事だ。それはもちろん、これらを参考に学習しようとされる方々に向けて分かりやすく表現しているわけで、実際に骨盤があんなに割れたらもはやお化けである(笑)ただし、「骨盤は分離出来るのか否か?」とか「背骨はズラしながら使う事が出来るのか否か?」という問いには、やはり「出来る」と答えざるを得なく、要するに人の身体とはそれ程に奥深いものなのだという事をご理解いただきたいのだ。

というわけで、次回から幾つかのストレッチをご紹介していきたいとは思っているけれど、俺が紹介する以外にも、皆さんが日頃から取り組まれているストレッチを行う際には、是非ともここでご紹介したイメージを思い描きながら行っていただきたいと思う。

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例えばこんなのとか・・・

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こんなのとかね ♡

ただし、幾つか注意していただきたい事があって

一つは骨盤や背骨に過度に力を入れ過ぎないという事。

確かにストレッチをする際には "目的とする筋肉をより伸ばそう" と意識するものだけれど、骨盤や背骨に意図的にテンションを加えるのは、逆効果のみならず、それらを痛めてしまう危険性すらあるのだ。前にも述べた事があるけれど、仙腸関節や骨盤内の深層筋群を痛めた時の苦痛ったらあんた、表面の筋肉を痛めてしまった時の比ではないくらいだし、何より治り難いので(単純に、生きて、息をしているだけで骨盤内の筋肉は動いてしまうので安静にしていられない)ここはグッとこらえて、身体各部にかけるテンションは普段のストレッチのままでお願いしたいのだ。

二つ目は意識(イメージ)し過ぎないという事。

「ちょっと待て、お前がイメージしろっつって あ〜だこ〜だ説明してきたんじゃねえか?!」って怒られる向きもおられるかもしれないけど、ガンガンに、全力でイメージしようとすると脳が過度に興奮してしまい、結果、身体に要らぬ緊張をもたらしてしまうので、『身体各部への意識の配り半分、映像としてのイメージが半分』くらいの楽な感じでイメージしていただけたらと思う。なんか俺も、写真っぽいリアルな絵作りをしてしまって(クッキリハッキリしたイメージを提示しちゃって)、ちょっと失敗したかなって思ってるんで(笑)俺が作ったイメージに軽くボカシが掛かったくらいの感じで想像していただけると幸いです。

最後は自分でコントロールしようとしないという事。

仙腸関節や背骨を取り囲む微細な筋肉達は、確かに習熟すれば意識的に動かさるようにはなるけれど、まだそこまで到達していない人に関しては『自分でコントロールしようとする意識』が却って不必要な緊張を生んでしまい、やろう(身体にやらせよう)とすればする程できなくなってしまうという悪循環を生んでしまうからだ。ここは以前にご説明した『身体に任せる意識』で、ゆったりとのんびり構え、「身体の変化を味わってやろう」くらいの(積極的な)受け身の姿勢でいる方が身体の深部は動いてくれ易いものなのだ。んでこの場合、身体の深部を目覚めさせるスイッチがイメージだというわけなんだよね。昔の人の洞察力って、改めてすごいなぁて思う。


以上、この三点を守りながら、存分にストレッチを楽しんでいただきたいと思う。もちろん、この連載では口を酸っぱくして言っている『ゆっくり、柔らかく、丁寧に』も忘れずに〜 ( ´∀`)


・・・続く

by genshu-juku | 2017-08-21 16:35 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(2)

垂直に伸びる背骨_13

骨盤のポジショニング_⑥

感覚養生法その三は・・・

いよいよ
立ったまま骨盤の回転を行う。



今回の姿勢の注意点は
ズバリ、両膝を僅かに曲げること。
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その理由は

膝を伸ばしているのに比べて
骨盤周りや股関節に余裕があり

コントロールが し易いからだ。

もちろん西洋の身体文化では

膝を伸ばしたままで
腰を立ててる
場合が多いけれど

それには骨盤周りや股関節はもちろん

仙腸関節(骨盤の関節)や
膝の靭帯にいたるまでの柔軟性が必要


反る腰の文化に慣れた者にとっては
一段難易度が増したものとなってしまう。

なので、最初は膝を曲げた
いわゆる中腰の状態で十分感覚を掴み

徐々に膝を伸ばして
行えるようにしていくのが良いだろう。

(現代劇に登場する役者が
 中腰でいるわけにはいかないものね)

後は、床や壁の支えがなくなって
途端に胸や腰の位置がぶれ始めると思うので

そこはしっかりと
床や壁の練習で掴んだ感覚を駆使して

胸と腰のポジションをキープしていただきたい。
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但し、少しでも力めば
上体への回転が途切れてしまうので

できるだけ全身をリラックスさせて
『 任せる意識 』も忘れないで欲しい。

なんだかやることや意識することが
いきなり増えちゃったみたいで大変だけど

ここでしっかりと感覚を掴んでおけば

さっき言ったみたいに
膝を伸ばした上体でもラクラクできるようになるし

何時でも何処でも

軸のスッと伸びた
美しい姿勢をキープすることができる(※)

そこまでくれば

いよいよ
呼吸法を応用する段階だともいえるわけで

どうかそこまで頑張っていただきたいと思う。

もちろん

ゆっくり、柔らかく、丁寧に・・・

を忘れずにねん (*^^*)


・・・続く


(※)
『 立つ腰 』を体現できるようになったら
年がら年中その腰でいなきゃいけないかというと

実はそうでもなくって

そもそも『 鍛錬 』には違いないのだから
やり過ぎれば心も身体も疲弊し切ってしまうので

時間を決めて取り組むのが一番だと思う。

それで、もしこの腰が気に入ったのなら
少しずつ日常に取り入れていけばいいと思う。

例えば
デスクワークをしてる時

固まった身体をほぐす意味で
ちょっとやってみるとかね・・・

見た目の変化がほとんど無いので
(ちょっと姿勢が良くなる程度?)

何処でも出来るのが
この運動のいいところだよね。

(↑ もちろん、やり過ぎればバレる!)

大切なのは
気負わず、焦らず、気長にってことだね (≧∇≦)/
by genshu-juku | 2015-10-13 23:02 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(3)

垂直に伸びる背骨_12

骨盤のポジショニング_⑤

感覚養生法その二は・・・

立ち上がって

壁に背中を付けたまま
骨盤の回転を行うというもの。

これは

床で仰向けになって練習した感覚を
実際の状態(立位)で行うための

つなぎの練習だと思ってもらえれば分かり易い。

壁に背中を付けているので

腰と胸のポジションがブレないのは
仰臥(仰向け)の時と同じだけれど

両脚で体重を支えているので
仰臥の時と較べて骨盤がそれ程フリーではなく

ちょっとだけ
やり辛さを感じるかもしれないけど

ここでしっかり感覚を身に付ければ

次のステップ・・・
普通に立って行うのがとても楽になるので

是非、しっかりと取り組んでいただきたい。

壁に沿って立つ時の注意点は写真の通り。
f0074992_1871734.png
・脚は肩幅にひらく
・背中と腰を壁に付ける
・頭は壁に付けなくても良い
・踵は壁から少し離す(壁に付けなくても良い)


よく綺麗な姿勢の基準として
『頭と背中と腰と踵を壁に付けるように立つ』

といわれることがあるけれど

これは『 反る腰 』のままでも・・・

つまり、背骨が大きい
S 字カーブを描いたままでも成立できるので

この養生法とは区別をしていただきたい。

この方法の目的はあくまで
背骨のカーブを真っ直ぐに近づけることなので。
f0074992_18143111.png
ちなみに

お尻が壁から離れてはいけないのは
仰向けの時と同じだよね。
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以上のことに注意をして
気楽に、気長に取り組んでいただきたいと思う。


・・・続く

by genshu-juku | 2015-10-13 18:17 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(0)

垂直に伸びる背骨_11

骨盤のポジショニング_④

さてさて・・・
感覚養生法の一つ目。

それは

床に仰向けになって
骨盤の回転を行うというもの。



何故 仰向けになるのかというと

腰と背中が床に付いているので

それらの位置を気にすることなく
骨盤の回転だけに意識を集中させられるから。

姿勢における注意点は

・膝を肩幅に開いて軽く立てる
・頭を楽に床に付ける


ということと

・全身をなるたけリラックスさせる

ということ。
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そうして
ゆっくり骨盤を回転させてあげれば

その回転が上体に伝わり
腰椎が床に近づくという寸法だ。
f0074992_1665088.png
この時

背骨周りが程よくリラックスできていて
尚且つ、『 身体に任せる 』意識が効いていれば

首も自ずと動くわけだけれど
(動画や写真のように)

最初は動かなくても一向に構わないので

気になさらず
のんびりと鍛錬を続けていただきたい。

逆に

「腰を動かしているのに
 首が動くという意味が判らない?」

という方には

同じく、仰向けになって行う
『 金魚運動 』を想像していただければ

容易に納得してもらえると思う。

金魚運動は専用の器械もあれば
自分で行うやり方もあるけれど

どちらも
脚、若しくは腰を左右に揺すって

その揺れを上半身に伝えて
全身をゆらゆら揺する運動だけれども

その際、全身の力が抜けていれば
首から先の頭もゆらゆら揺れるのは

既にご承知のことと思うので。

ただ、この感覚養生法に関しては

動きの範囲があまりに小さいことと
勢いをつけずにゆっくりと行うために

力が伝わり難いのは否めない。

なので

最初はかなりイライラするかもしれないけど
どうか諦めずに継続していただければと思う。

ちなみに、やり始めは

どこまで骨盤を
回転させればよいのかよく判らないので

下の写真のように
お尻が浮くまで回転させてしまうことがあるけれど
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これだと

立った状態では『 丸まる腰 』になってしまうので
やり過ぎということになってしまう。

なので、最初は
誰かに横から確認してもらうのが良い方法だとは思う。

ちなみに

ここでご紹介しているのも
『 反る腰 』の人向けのやり方で

『 丸まる腰 』の人は仰向けに寝ると

既に腰椎は床に付いていて
お尻(尾てい骨)が浮き気味になるので

(丁度、上の写真の "お尻が浮いている" 状態)

そこを床に付ける意識・・・

つまり『 反る意識 』で
行ってもらえればいいのだけれど

特に『 丸まる腰 』の人は
骨盤周りの筋肉が固まっている人が多いので

決して無理をなさらず

ましてや 勢いなど絶対につけないよう
十分注意を払っていただきたい。

また、痛みが出るような場合は
鍛錬そのものを中止して

この後ご紹介するストレッチなどを
長い時間を掛けて行っていただき

身体が十分柔らかくなったな
と感じてから再挑戦をしていただきたい。

功を焦って無理をしては
後々まで響く故障を負いかねない
ので・・・


最後に、元々『 立つ腰 』の人は

そもそも仰向けになっても
床と腰椎の間にほとんど隙間ができないはずなので

(↑ 両膝を立てた場合)

そういった人は
この感覚養生法はパスしちゃってください。

そうして、呼吸法の鍛錬まで
ストレッチ等でさらに骨盤周りを磨いていてください。

もう、憎いぞ!コンチキショ~~ (≧∇≦)/


・・・続く
by genshu-juku | 2015-10-13 16:26 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(0)

垂直に伸びる背骨_10

骨盤のポジショニング_③

今回から
理想的な骨盤のポジショニングに対する

『感覚養生法』をご紹介していくとしよう。

そこで、今一度
正しいポジショニングを確認していただくと・・・
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このように
骨盤を垂直方向に僅かに回転させると

それが胸と頭の回転(ローテーション)に
繋がるという理屈なわけだけれど

(背骨は一つに繋がっているから)

ここで注目していただきたいのは

腰と胸の位置(ロケーション)は
ほとんど変わっていない
ということだ。

(若干、上には移動するけど
 前後左右にはぶれない ということ

 また、頭の位置は
 少し後ろに引かれる
ように動く)

要するに

腰と胸の位置は変えずに
骨盤から生まれた回転だけを上体に伝える


ということなんだけれど

(↑ "軸" の意識にも繋がる・・・)

ダンスをやっている人になら
何でもない、基本中の基本の話ではあるけれど

運動をやったことがない人や

武道やスポーツなど
一種目だけに打ち込んできた人には

(↑ "一つの腰" だけしか経験したことがない人)

とてつもなく難解な
不可解な動きに思えるかもしれないけれど

これからご紹介する
『感覚養生法』をコツコツ実践していただければ

必ず出来るようになるのでご心配無く。


というわけで

先ず最初に
骨盤を回転させるためのイメージ作りから・・・

それは骨盤を水平方向に
左右に貫くシャフト(回転軸)のイメージなんだけど

こいつが骨盤に
ズブリと差し込まれているのを想像して欲しいんだ。
f0074992_23414766.png
場所は、写真のように
腰の横の少し凹んだところで

さらにイメージを強化させるために
両手の親指で左右から押してあげるのも良い。
f0074992_23463376.png
やっと腕が生えたね!


この『シャフトのイメージ』と
『親指によるイメージ強化』については

『感覚養生法』を練っている時には
いつでもやっていただきたい
と思っている。

もちろん見本の動画や画像の中には

胴体を見やすいように
腕を非表示にしてるものもあるけれど・・・(笑)

後、注意点としては

(これから何度も口を酸っぱくして言うけれど)

全身(特に背骨)を十分にリラックスさせる ということ。

背骨は『一繋がりの鎖』みたいな構造をしているので

背骨周りの筋肉が十分脱力できていれば
骨盤の回転が素直に上部へ伝達される・・・

逆に背骨周りが硬直していては

回転を伝えることが出来ずに
腰だけがクイックイッと動くだけの

それこそ
前髪クネ男的な運動で終わってしまうというわけだ。

まあ、やったことのない動きをやろうとすると
どうしても全身が緊張してしまうものだから

最初から回転の伝達が起こることは期待せずに
正しい骨盤の回転を学ぶことに集中してください。

後、「自分で全てコントロールしよう」
という意識が正しい伝達を阻む
ことも多く

要するにこの意識は
要らないところで身体を緊張させる元となるのだけれど

この弊害を取り除くためには
身体に任せる意識 』っていうのが必要になってくる。

一度骨盤を回転させたら
あくまで意識の上では "何もしないで"

身体の成り行きに任せる というスタンスなんだね。

これも、慣れない人にとっては
全く意味不明の話だとは思うけれど

例えば
バランスボールに乗っかっている時

ヨッ!ハッ!って
上体がバランスを取っているのって

自分で全て意識的に
動かしてるわけじゃないじゃない?

身体が勝手に
やってくれてる部分って必ずあるわけだけれど

(↑ 上達した人は "それ" を全て感じてはいるけれど)

その勝手にやらしてる部分(意識)を拡大して
意識的にそういう状態に持っていくってこと。

これも難しいことではあるけれど
身構えてしまっては身体が固くなってしまうので

あくまでもリラックスしながら
楽しみながら取り組んでくださいませ~ (*^^*)


・・・続く
by genshu-juku | 2015-10-13 00:24 | 垂直に伸びる背骨(連載) | Comments(0)