殺陣師の佐藤雅樹が殺陣と武道修行から得た "気付き" を易しく解説します


by Masaki Sato

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技と人格は別物

「技法(武道・格闘技の技)とそれを行う人間の心(優しさ、誠実等)は、およそ絶対的なものではない<高岡英夫「光と闇」>」・「いくら畏るべき技を揮えるようになったとしても、我身を、路傍の石になぞらえるセンスと、すべてをそして自分を笑いとばすユーモアを失っては、その技や力はその人を人間全体としては堕落させるもととなるだろう<坪井繁幸(香譲)「メビウス身体気流法」>」

二十代の初め、この二人の言葉に出会っていなかったら、今の俺はとんでもない大馬鹿野郎になっていただろう。

要するに、技と人格は別物だから、技を磨くのと一緒に人格も磨こう!! ということなんだけれど、「何を当たり前の事いってんの?」という御仁には信じがたいことかもしれないが、特殊な技能を身に付けた人間がそれ故に己の人格までもが高まっていると信じる錯覚は、麻薬以上の強さをもって当事者を蝕むものなのである。

一般開放の武道場に行けば、肩を怒らせ周囲をねめ回す自称武道家が必ずいるものだ。まるで檻の中のゴリラだ。自分が一番強いとでも思っているのだろう。また、こういった人種はフィットネスクラブにも掃いて捨てるほど存在するから、ことは武道の世界だけでないことは直ぐに分かる。運動の世界だけではない。ちょっと旨い料理を出すからといって、客を客とも思わない態度をとる料理人がいる。ちょっとばかし気功を教えられるからといって、その神秘性を楯に生徒にセクハラをする阿呆気功家がいる。

人間とは、かくも脆いものだ。

まさか馬鹿武道家や阿呆気功家になるために修練をつんだわけではなかったろうが、やはり怠けてしまったのだ。技ばかりに目がいって人格を磨くのを疎かにしてしまったのだ。

そういう俺も、振れただけで弟子を床に転がし(そう見えるだけ)、一方では体調を崩した弟子を気功で癒してやる。なんか、ちょっといい人っぽいけど、なんのことはない、家に帰ればソファーに寝ころび、マンガを読みながらギャハハと笑って一発屁をかます。ただのオヤジだ(笑)。

なんでこんな事を書いたかというと、知人が勤め先の上司から精神的苦痛を受け続けて終いには身体を病んでしまったと聞いたから。知人も、今日俺が書いたことを知っていれば、少しは苦しまずに済んだものを。その上司は単なる馬鹿野郎に過ぎなかったのに、心優しい知人はそこに思い至らなかったのだ。また往々にして、馬鹿本人も自分が馬鹿だということに気付いてはいないのだが。

心ある者は、技と一緒に心も磨け!!!!

Go forward on the most difficult way!!


今日のBGM「俺は新造人間」
by genshu-juku | 2006-09-25 23:17 | 武道 | Comments(0)