殺陣師の佐藤雅樹が殺陣と武道修行から得た "気付き" を易しく解説します


by Masaki Sato

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性善説

「人は生まれもって善である」という考え方。

世界の東西を二分する考え方「資本主義」と「社会主義」、この二つの考え方も煎じ詰めれば「性善説」に則っているのが面白い。

資本主義は「格差社会」でお馴染みの弱肉強食のイメージ。そうならないためにも資本主義社会には高い経済的倫理が不可欠だって、なんとかっていうアメリカの経済学者が言ってたっけ。もちろん、そんなことにはお構いなしに世界の経済格差は広がっているけど。

全ての富を国民に分け与えるというのは社会主義。一見凄い良い考えだと思うけど、結局は一部の特権階級が富と権力を独占するという腐敗を生んでソ連邦は崩壊した。

結局、性善説頼みでは世の中立ちゆかないってことじゃないの?

めんどくさい話をしたけど、俺たちの身近にだって同じことが起きている。戦後日本を席巻した「自由と民主主義」。意訳すると「何をやっても自由の行きすぎた個人主義」は、とうとう親殺しをする自由をも子供達に与えてしまった。

もちろん俺も個人主義の恩恵を受けて生きてきたし、個人主義が発達したお陰で伸び伸びと個性を育むことができた達人たち(例えばイチロー、松井、若い人ならゴルフの宮里藍)を知っている。だけど、いくら彼等を生み出せたとはいえ、我々日本人が被った代償は(今の現状を見る限り)あまりにも大き過ぎではなかろうか。

ここでも、性善説頼みは行き詰まりを見せている。つまり、何をやっても良い自由を与えられても「高い境地を目指す者」ばかりではないということだ。むしろ堕落した生き方、自分勝手な行動を取る者の方が圧倒的に多いのだ。

性善説の反対は性悪説。人間本来の姿は悪!! と断じているわけではなく、人間の本性は「欲望的存在」だから、後天的努力をして善を身に付けるべきだ、という考え方。

俺は断然こっちの方を支持するけどね(笑)。まあ、今まで生きてきた感想を素朴に述べるならば、「良い人もいれば悪い人もいる」って、当たり前の現実に行き着いちゃうんだけど(笑)。だったら、何故この当たり前の事柄を前提にした教育論や経済論が出てこないんだろう?って不思議でしょうがない。

武道では当たり前に存在している「型」という考え方は、正にこの考え方に由来したものなのだ。「運動神経の良い者もいれば悪い者もいる」、だから初心のうちは一定の型にはめ、センスのある者は更にそれを伸ばしてやり、悪い者にはその悪癖を改めてやる。もちろん型至上主義では行き詰まってしまうのだが(生徒の実力に合わせて更に上の情報を与えてやらなければならない)、決して否定されるべき考え方ではないのだ。

思えば、昔の日本の社会もそうだったんじゃないの?

町や村という自治体、祭りを始めとする年中行事、近所同士の付き合いなど、今の我々にとってみれば「やっかい事」にすぎないものをとても大切にしてきたんだ。そしてそれは「ゆるやかな縛り」となり、あるときは困っている者を助け、あるときは部外者の侵入、コミュニティー内での犯罪を抑止してきたわけだ。

現代の自治体レベルで起こっている「防犯パトロール」などというものは、昔の「ゆるやかな縛り」、自治体としての「型」を取り戻そうという試みに過ぎないことなのだ(もちろん良いこと!!)。

弟子を育てる段になると、やはり俺は性悪説的に彼等をみてしまう。だって俺自身が性悪だから(爆)。・・だからこそ、可愛くもあり、教え概があるというもんだけどね(笑)。

I wonder, How many people have read this essay to the last?


今日のBGM「一休さん」
by genshu-juku | 2006-09-19 23:13 | その他 | Comments(0)