殺陣師の佐藤雅樹が殺陣と武道修行から得た "気付き" を易しく解説します


by Masaki Sato

プロフィールを見る

カテゴリ

垂直に伸びる背骨(連載)
気と意識のトレーニング(連載)
伸筋抜骨への道(連載)
オンラインレッスン
仙骨・背骨・健脳
氣の話
スピリチュアル
武道
殺陣
CG 修行
趣味のこと
その他
新発田弁
インコ道

最新のコメント

A.Kさん はじめまし..
by genshu-juku at 20:14
はじめまして。Y.Kさん..
by A.K at 20:25
素晴らしい体験談をありが..
by genshu-juku at 15:49
更新ありがとうございます..
by YK at 14:28
既に脱力を実践されておら..
by genshu-juku at 16:20

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 04月
more...

ブログジャンル

美容・健康
スピリチュアル

首のことしか話してませんけど(汗)

キャラメルボックスの岡田達也君に声をかけてもらい、ここ半月ほど、『世襲戦隊カゾクマン』という舞台の殺陣(アクション)指導というか監修をやらせてもらってるんだけど、本番が間近に迫った今、”首の向き” しかアドバイスしていないことに、今、気が付いた。ホント、冗談抜きで首の話だけだよ(笑)

わかりやすく言うと、カンフーや伝統派空手の型なんかに見られるような、拳や掌を突き出す瞬間、その方向をキリッと見る、歌舞伎の見得のような所作のことを言ってるんだけれど、これって、最近の総合格闘技をベースにしたアクションを見慣れた人達からすれば「カッコつけてるだけでしょう?」なんて見えるかもしれないけれど、ここにはそれなりの術理が内包されているわけで(演武する人が体現出来ているかは別として)、要するに、体が十分にこなれ、全身が連動するようになってくると、そこから生み出される運動エネルギーを効率よくリードするためには、どうしても首の使い方が必要になってくるというわけだ。

つまり、突きや掌打が決まる瞬間、急激に顔(視線と言ってもいい)をその方向に向けることによって、全身の力を拳や掌に集約することが出来るということ。

また、もう少しレベルが上がってくると、他の使い方もあって、それは、拳や掌が相手に当たる瞬間、わざと違う方向を向く、別の言い方をすると “ソッポを向く”というやり方で、これは何をやっているのかと言うと、上達した武術家は全ての動きを背骨を起点として発することが出来るのだけれど、純粋に背骨から出た運動エネルギーは、とてつもない威力を持つ反面、簡単に頭(脳)に達してしまうので(脳振とうを起こしちゃう)、それを回避するため、顔を背けることによって100%の威力を拳や掌に誘導しようとしているわけで、とても高度な身体運用をしているのだけれど、大昔のカンフー映画の振り付けにはこの “ソッポを向く” という動きが、おそらく決まり手みたいな感じで織り込まれていて、懐かしいところでは、みんな大好き『Gメン’75』の香港シリーズの名敵役 “ヤン・スエ” がよ〜くこの振りをやってたっけ。

最近だと、映画『マトリックス』の “キアヌ・リーブス” 演じる “ネオ” が流れの中でさりげなくこの首の使い方をしていたし、”ドニー・イェン” がカンフーものをやる時も、同じく、スマートにこの振りを演じていたりもする。まあ、ドニーに至っては、本物の武術家なので、振り付けというよりは動きの中で自然な形で出てきたものだろうけれども。

というわけで、カゾクマンの話。俺が口を酸っぱくして首の動きをアドバイスしているということは、アクションに参加する出演者の皆さんの練度は既にそれなりのレベルにあるということで、何故なら、仮に未熟な人ばかりだとしたら、手や脚を動かすことで精一杯で首の動きなんかに頭が回らないのが実情なはずで、そうではないということは、岡田君の指導の下、皆さん確実に進化を遂げられているということなんだよね。

舞台上での皆さんの勇姿、拝見するのが今から楽しみだなぁ〜( ´ ▽ ` )

アクションだけじゃなく、笑いあり、涙ありの家族劇なので、戦隊好きな方もそうじゃない方達も、是非、劇場に足をお運びください。

「赤坂レッドシアターで僕と握手!!」



by genshu-juku | 2022-10-25 15:42 | 殺陣 | Comments(0)