殺陣師の佐藤雅樹が殺陣と武道修行から得た "気付き" を易しく解説します


by Masaki Sato

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俺の進むべき道_1

去年の暮に
カミさんとパソコンショップをぶらぶらしてたところ

あるディスプレイに
最新ゲームのデモリールが映しだされていた。

流行りの、チームを組んで
モンスターをやっつけるというスタイルらしいんだけど

老舗のモ◯ハ◯よりもキャラやモンスター達が可愛らしい。

立ち止まって眺めてるうちに懐かしさが込み上げてきて

カミさんに

「俺はこんなの(アニメーション)作ってたんだよ」

って説明したところ

それをじっと見ていたカミさんの目に涙が浮かび

「(モンスターが)かわいそう・・・」

と呟いた。

なんたる優しさ、繊細さ・・・
流石、俺の双子の魂の片割れと感心したが

ふと我に返れば

カミさんの持つこの優しさは

今の時代では単なる弱さ、場合によっては
神経症の一種ぐらいにしか扱われないんだよなあ・・・

などと暗澹たる思いにさせられる。

今だから語るが

俺がCGの世界から一時距離を置いたのも
本当の理由はここにあったのだ。

来る日も来る日も
暴力的なシーンのアニメをいじくって

(↑要するにアクションシーンということ)

あるいはパチンコ用の

いたずらにお客の射幸心を
煽るような演出ばかりを目にしていると

(今のCG業界はパチンコで成り立っている)

時に堪らないくらいの罪悪感に苛まれることがある。

「自分は、人類の進歩という観点からいって
 マイナスの方向に加担しているのではないか?」

・・・と。

もちろん
仕事でお会いしたゲームやパチンコ業界の方達は

皆さんとても真面目で誠実な方達ばかりで

それぞれがユーザーに楽しんでもらおうと
必死の努力を続けておられる。

また、ユーザー側にとっても

ゲームやパチンコが

日々の憂さを忘れさせてくれる
大切な憩いの場になっていることも承知している。

全ては、神経症の自分だけが持つ
特異な妄想でしかないのだけれど

それでも(CG会社を辞める)最後の方は

自分を偽ることに
耐え難い苦痛を味わい続けなくてはならなかったのだ。

もちろんCGアニメーションの仕事はそれだけではなく
ダンスや、時には民族芸能の所作みたいなものもあって

それらを調整する時には
至福の喜びを感じてはいたのだけれど

いかんせん
仕事はそれだけやっていればいいというわけでもなく

否応なく、暴力的、ギャンブル的な演出に飲み込まれ

「それを我慢するのが仕事だよ」

という世間の常識にすら
全く耳を貸せない程に俺の心は疲れきっていたのだ。


ここで、読者の多くはある疑問をお持ちになるだろう。

「それでもお前は殺陣師を続けているじゃないか?」

・・・と。

そう、それこそが俺の持つ最大の矛盾であり
かつ最大の悩みでもあったのだが

その答えに
今、ようやく辿り着くことができたのだ。

それは

殺陣やアクションを通して
『美』を表現したいということに尽きるわけで

ご存知の通り
武道・武術の英語訳は Martial Arts であり

その Arts の部分が
俺を惹きつけて止まないのだと悟ったのだ。

だから、もしかしたら

最初からダンサーやパントマイマーを志していれば
このような葛藤を味わわずにすんだのかもしれないが

物心ついた時から
暴力的な環境に身を置かれて育った自分にとって

『暴力』と付き合っていくのは
宿命みたいなものなのかもしれず

殺陣やアクションとは

それと折り合いをつけるための
苦肉の策なのかもしれないと今は思っている。

だから俺は、これからも
この矛盾(暴力と美)を抱えながら生きていこうと思う。

丁度、光と闇の連環を表す陰陽太極図のように。


・・・続く
by genshu-juku | 2014-01-04 16:04 | スピリチュアル | Comments(0)