殺陣師の佐藤雅樹が殺陣と武道修行から得た "気付き" を易しく解説します
by Masaki Sato
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「見る力」
そして、GW でも働く俺・・(笑)。
今日は「松竹エンタテイメント ろう者芸能コース」での指導。このクラスは、文字通り「ろう者」のための演劇コースで、キャラメル・ボックスの手話指導でお馴染みの妹尾映美子先生が専任講師をされている。
「え?ろう者が殺陣をやるの?」と、驚かれた方。
そうなのだ。ろう者でも殺陣は出来るのだ!! もちろん音が聞こえないことによる安全面のハンディは厳然と存在するのだが、創意工夫と集中力によってそれらは解消することがで出来るのだ。例えば、立ち廻りの中で後ろから襲いかかる振り付けがあるとする。健常者なら「声」でタイミングを知らせることが出来るのだが、ろう者にとってそれは至難の業だ。そんな状況で僕等が工夫したことは、掛かる者が床をドンッ!! と踏みつけて振動を相手に伝えるという手法だ。健常者にとってはなんとも心許ないやり方だが、彼等ろう者にとってはとても分かり易い方法だという(床の材質にもよるが)。
そしてなにより、彼等は「見る力」に長けている。
人にもよるが、大抵のろう者は 2〜3回見本を見せると簡単にその動きをなぞれてしまう。まあ完璧というわけにはいかないが、しかし最近の若い健常者に比べれば雲泥の差だ。本当に最近の若者達の「見る力」の無さといったら、もう絶望的だ。ろう者が 2〜3回で出来てしまうレベルに、彼等健常者は10回やっても追いつかない。
彼等のどこがいけないのかというと、いちいち「言葉に変換する」こと。
先生や先輩の動きをろくすっぽ見もせずに、「左足を出したときには上段に構える・・云々」と、ひたすら自分の頭だけの世界に埋没している。これでは、「見る」ことから得られる豊かな情報を自ら放棄しているようなものだ。正に「見れども見えず」というやつである。
昔は仕事も芸事も先ず「見る」ことから教えられた。そう、入門したての素人は道場の隅に正座させられ、延々と唯「見させられた」ものだ。しかし一見乱暴に見えるこのやり方も、「理想のフォームをビデオで何回も見る」等の現代的上達理論となんら変わりがないことに気付かされはずだ。
ろう者達は、望むと望まざるとに関わらず、この「見る」ことが生きていく上での生命線なのだ。かくして、「不自由な者が本当の自由を獲得する」という逆転現象が起きる。
呵々、痛快なり。
※前列の男性がしている手話は "I LOVE YOU !!" です。キツネではありません(笑)。ろう者の挨拶の定番なので覚えておきましょう!!
(ちなみに、眼鏡の男の「アイ〜ン!」は唯の「アイ〜ン!」です / 笑)
今日のBGM「We Gotta Power」
by genshu-juku
| 2006-05-06 17:28
| 殺陣
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