殺陣師の佐藤雅樹が殺陣と武道修行から得た "気付き" を易しく解説します


by Masaki Sato

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俺は役者か?

先の公演「ヒーロー・ネバー・ダイ(舞台写真)」を観てくれたキャラメルボックスの演出助手・白坂さんが、「(僕は舞台上で)普通に役者してましたよ」と言ってくれたことがある。

正直、涙が出るほど嬉しかった。

何故かというと、僕は「役者」というものに対して強烈なコンプレックスを持っていたからだ。その原因は六年前に遡るのだが、キャラメルボックスの舞台に客演するその準備のため、キャラメルの「新人練習」に参加したことだ。地獄の猛特訓で知られた新人稽古だ。鬼より怖い成井さんが「一切の妥協なし(本人談 / 笑)」で新人をシゴく場だ。もちろん僕への特別扱いも無しだ。

そこで嫌と言うほど思い知らされた。自分がどれだけ役者に向いていないかを。台詞を言えば緊張のあまり、噛む、どもる、台詞を忘れる、挙げ句の果てには大声を出した瞬間に貧血で気を失う始末だ。身体を使うことには自身を持っていただけに、奈落の底に突き落とされた、では済まされない程に僕の自信は打ち砕かれた。その後の公演は、周りのみんなに助けられながらなんとかやり通すことが出来たが、「もう二度と役者には手は出すまい」という思いが僕の潜在意識にまで刻み込まれたのだ。

それでも僕は、そんな恥ずかしい自分を許すことが出来なかった。
この汚名は必ず雪(そそ)ぐと密かに誓っていたのだ。

それから六年、友人の役者達に指導を仰ぐことはせず(だって恥ずかしいじゃん!!)、ひたすら自己流で台詞回しを磨いてきた。発声や演技に関する本も十冊近くは読んだ筈だ。そうしてようやく、自分自身の武術的身体を演劇的身体にアジャスト出来るようになって来た。

そんな時に降って湧いた話なのだ、「ヒーロー・ネバー・ダイ」は。

ある共演者が、僕の役へのこだわりに「身を削るようだ」と言ってくれたが、実はこんな理由があったのだ。僕は、「自分自身への復讐」のために闘っていたのだ。だからこそ、先の白坂さんの言葉が身に浸みた・・。六年間の苦労が報われたような気がしたからだ。

このブログを丹念に読まれている方は、僕が僕自身を「役者」と言いきるのを巧妙に避けているのに気付かれるはずだ。未だにその躊躇は僕の中に存在する。役者とは「神聖なもの」だ、という思いが今でもあるからだ。それに、僕の友人達(プロの役者達)を前にして「俺は役者だ!!」と言いきるのにはまだまだ勇気が要る。彼等の技量と僕の技量には雲泥の差があるからだ。

それでも、「俺って役者・・かも?」ぐらいは言ってみたい(笑)。
だって、役者ってやっぱ面白いから!!


今日のBGM「聖闘士神話〜ソルジャー・ドリーム〜」
by genshu-juku | 2006-04-24 19:19 | その他 | Comments(0)