殺陣師の佐藤雅樹が殺陣と武道修行から得た "気付き" を易しく解説します


by Masaki Sato

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全ては循環の中にある_2

剛の中に柔は内包され、柔の中にも剛が含まれる。
剛が極まれば柔になるし、柔が極まれば剛になる。

武道に限らず
何らかの身体文化に真摯に取り組んでいる者になら

自ずから理解されるであろうこの理(ことわり)も

頭の固い一部の者達にとっては
戯れ言にしか映っていないらしい・・・

例えば、剛系の武道を嗜む者が

「力を抜いて戦えるわけないじゃないか!腰抜けめ!!」

と相手を罵れば

柔系の連中は

「力まかせのクソ技なんか俺達の高級技法でイチコロだ!」

とやり返す・・・

実に寒々しい、幼稚な論争が
何十年も前から延々と繰り広げられているわけだが

そんなことを百万回繰り返したところで
求める真理には決して辿り着けやしないのだ。

大切な事は

一見、己とは正反対に映る相手にこそ
それ(求める真理)が内在されているという事実・・・

そうして、それを素直に受け入れ
尚且つそこから起因する変化を恐れないという覚悟だ。

(対立する相手から自分に足りないものを学ぶということ)

そう、全ての物事は

月と太陽の移ろいの如き
大いなる循環の中にあるものなのだから・・・


なんて偉そうな事言っちゃってるけど
俺もちょっとは反省しなくっちゃだな(汗)

だって俺は

ずっと外側の筋肉を鍛えることに
否定的な態度を取っていたんだもの。

否定されるべきだったのはそのトレーニング方法ではなく
それに取り組む個々人の意識の持ち方だったってのにね。


さてさて、四半世紀も掛けて整えてきた俺の身体が
今、ようやく一つの完成を見せようとしている・・・

これからは、柔だの剛だの
はたまた東洋だの西洋だのに囚われず

ただ素直に好いと思ったトレーニングだけをしていこう・・

子供の頃から思い描いてきた
『本当の強さ』って奴を手に入れるためにもね。


・・・終わり
by genshu-juku | 2012-10-12 20:06 | 武道 | Comments(0)